英子:あと、仲良かったHちゃんもまったく同じ手口で契約しちゃってて、デビュー作の時とか、逃げないようにスカウトマンがメイク室のドアの前でナイフをチラつかせながら見張ってたんだって。
しじみ:それは、完全にアウトなやつだね…。
英子:それで泣いてたら、見かねたメイクさんがこっそり「あの窓から逃げなよ。あとは適当に言っとくから」って言ってくれて、その優しさに逆にやる気になれたんだって。
しじみ:何それ、めっちゃいい人! 惚れる!!
英子:それで1本でも2本でも撮って親にバレない内に終わらせれば良かったのに、そこが私達の弱さなんだけど、お金がドーンと入ってきていい思いして、「次も撮る?」って聞かれて「はい」って言っちゃうんだよね。結局、デビューした後何年もやってるから訳だから今さら訴えようとは思わないけど、まあそういう現実があることも知ってほしいかな。
しじみ:最終的に選んだのは自分だからね。自分の意思じゃなかったと言うなら、意思の弱い自分のせいでもあるよ。
英子:あと、「ここで自分がやらなかったら、どれだけの人に迷惑がかかるんだろう」って考えるような責任感のある子が嫌でもやっちゃうんだと思う。
しじみ:わかる! 私も昔、現場に行ったら大量のミミズが用意されてて、まったく聞いてなかったから帰りたかったけど、女優は私ひとりしかいないからやったよ、ミミズ塗れプレイ♪
英子:酷いね。NGなしにしてるからだよ(笑)。私はパブも狭かったし、NGプレイもいろいろあったけど、それは自分がやりたくないからじゃなくて、これをやったら家族・友達・マネージャーはどう思うんだろう? って周りの人のことをすごく考えちゃってた。
しじみ:そこがまったくないんだよね~私(笑)。
英子:だから人気者だったんだと思う。それに、AVの時のキャラ見てても思ったけど、相当“我”が強いよね(笑)。だから異端児だったし、あの時代のいろんなことの先駆者だと思うの! そこはちゃんと強調して書いてね♪
しじみ:へへへ♪ そういえば、Aちゃん(共通の友達)が、AVやろうかなって言ってたよ。
英子:何! やらせようとしたの(激怒)!?
しじみ:美人だからブレイクしちゃうかなと思って♪
英子:AVだけは止めさせな。自分の人生をすべて捨てていい、親を泣かせて家族に迷惑かけてもいいって言うんなら出てもいいけど。負けず嫌いな子ほど、今まで頑張って認められてきた地位を全部失って、プライドも何もズタボロになっちゃうかもしれないよ。AVに対しての考えが甘いよ!
しじみ:ごめん。軽いノリでそそのかしてしまって…。確かにあの時の若気の至りが、こんなに後々の人生までしぶとく影響するなんて、20歳の自分にいくら説明してもきっと経験からしか分からないことなんだろうな。
英子:まず、社会的にちゃんとした人とは結婚してもらえないよ。今までは本気で結婚したいと思われてたのに、AVって分かっただけでヤるだけの女に変わっちゃうんだから。とにかく辞めさせてね!!
しじみ:は、はい…。
英子:まあ、今までは「あんなの私じゃない!」って否定し続けてたけど、最近はあれはあれで頑張ってたなって思えるけどね。他に手に職がある訳でもないし、結局、一生懸命やれたって胸張って言えるのは、AVのことくらいだもん。それに一生の友達もできたし♪ ねぇ、こないだ誕生日だったでしょ。今日はご馳走させてよ。だから、いい記事にしてね。
しじみ:まじで!? ほんといい女だな。それではご馳走様♪
(写真・文=しじみ)
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