【Barしじみ】今だから話せるAV業界の裏側

 
しじみ:じゃあ、そんなAV業界に入ることになったきっかけは?

英子:「Nのいる音楽事務所です」って渋谷でスカウトされて、まずボイトレに無料で3カ月通わされたの。それが終了したら「事務所と正式に契約するからハンコ持ってきて」って言われて行ってみたら、今まで会ったことないヤクザみたいな社長と舎弟みたいな取り巻きが3人くらい出てきて、「あのさ、歌手になりたいんでしょ? 歌手になるには普通AV3本出なきゃなれないよ」って言われて。『えっ!? じゃあ、NとかA(有名な歌手)とかみんな出てるんですか?』って聞いたら、「みんな出てるよ。それに君の実家の連絡先も知ってるから、もし飛んだら、分かるよね?」って誓約書にサイン迫られて…。

しじみ:えーーー!!

英子:出会った最初のころに実家の住所と電話番号書いちゃってたから、本当に家族に危害がってとにかく怖くて…。田舎者の二十歳が急にヤクザみたいな男たちに囲まれたら怖いじゃん! だからサインしちゃった。それからはトントン拍子。面接行って、脱いで、写真撮って、はいAVデビューって感じ。

しじみ:そんなことがあったんだ…。そういえば、デビューする時にケータイから家族・友達・彼氏の連絡先を全部消されて、外部と連絡取れなくされてた女優さんとかいたけど、今思うと、かなりヤバいね(笑)。

英子:なんで警察呼ばないの? 逃げれば良かったじゃん! ってよく言われるけど、サインしてしまった時から「もうそのことについては何も考えたくない!」って思考停止状態になってた。誰にも相談できなかったのも、今まで田舎で両親に真っ当に育てられて生きてきたから、自分がAVに出なければいけない現状にあるなんて恥ずかしくてとても言えなかった。いっそ自殺しようかとまで思いつめてたけど、いざ撮影現場に行ってみたらイメージしてたよりもすごくちゃんとしてて驚いた。

 セックスも嫌だし、こんなことしてる自分も嫌だったけど、お姫様扱いされたり綺麗に撮ってもらえるっていう状況で自己顕示欲も出てきて…あと、やっぱりお金の面が大きいね。「あんなに辛かったけど、こんなに入ってくるんだ」って思ったら辞められなくなってた。

しじみ:10年前はまだギャラも良かったしね。

 

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