【宿の空室に忍び込んで…】
彼女「みんな寝ちゃったみたいだね…。どうしよっか?」
答えは決まってる。
JOJO「しようよ」
彼女「…でも場所がないじゃない」
彼女とぼくは別々の部屋に泊まっていた。ここは安宿。ぼくの部屋にも彼女の部屋にもほかの旅行者が寝ている。
さすがに、上に人が寝てるベッドでできるほどぼくの神経は図太くない。
欧米人とかたまにヤッてて、“おいおい、ここでやるなよ…”と思った経験が何度かある。
さて、どうしよう。場所がなくて困ったな…。
なんて、この段階まできて考えるぼくではない。ハイシーズンが終わりに近づいていたため、この宿には空室が多いことをぼくは知っていた。
ぼくのベッドがある部屋の向かいのドアを開けてみると、2段ベッドが2台。誰かが泊まっている様子はない。
すでに深夜。この時間からやってくる旅行者はさすがにいないだろう。
目で合図すると、彼女はすぐに理解した様子で、ぼくに続いて部屋に入ってきた。
褒められた行為では決してない。
でも、ぼくは自分の衝動を止めることができなかった。
勝手に空いてる部屋を使ってはいけないという倫理観より、どうしようもなく盛り上がってしまった性欲が明らかに勝っていた。
電気を付ける訳にはいかない。
月明かりに浮かぶシルエットを頼りに、ぼくたちは行為に及んだ。
大きな声を出したり、音をたてたりできないその状況に、いつもより興奮している自分がいた。