キューバ嬢との初対戦で濃厚プレイに骨抜きにされたぼくは、判断がにぶっていた。
そうとしか説明できない。
時刻は深夜3時頃。辺りにはほとんど人はいない。それでも、道を選んで気をつけて歩けば、まぁ大丈夫だろう。
近くの売店でビールを買って、余韻に浸りながら旧市街への道を歩いた。途中、人が集まってるエリアがあって、若者達が騒いでた。
「ヘイ! チーノ! タクシー?」(チーノ=中国人)
無視して歩き続ける。
あっちの暗い道はやめてこっちから行くか…。
さすがにあまり人は歩いてないけど、まったくいないという訳でもない。なるべく明るい道を選んで旧市街へ向かう。
周りを確認しつつ、警戒しながら早足で進んでいく。旧市街まで半分くらいの道のりを来たところで、カップルとすれ違った。一応警戒してカップルの様子をうかがうと、後方から自転車が来ているのが視界に入った。
絡まれたりしたら面倒だな…。
横の歩道に寄って壁際を歩いた。横目で自転車を警戒する。若者が乗った2台の自転車は、ぼくを抜かしていった。
ふーっ。何もないか…。
と思ったそのとき、目の前の交差点で若者達が自転車を止めた。周囲に目を向け、何かを確認する彼ら。
次の瞬間、彼らはぼくに向かって突進してきた。
や、やばいっ…!
そう思った時には、既に身体を壁に押し付けられていた。