――不倫相手を奥さんから奪おうみたいな気持ちもあったんですか。
「あったんですよ。なので相手の家に乗りこんじゃったんです(笑)」
――相当ヤバい人じゃないですか(笑)。家に奥さんはいたんですか。
「いました。長々と思いを書き連ねた手紙を渡しただけなんですけどね(笑)。それが精一杯でした」
――何か効果はあったんですか。
「ずっと不倫はやめようと思っていたんですけど、どうせなら相手にダメージを与えてからやめたかったんです。私だけ傷付いて終わりたくなかったんですよ。だから相手が仕事で出張している時を見計らって押しかけたんです」
――え! 不倫相手は不在だったんですか…。
「はい。怖いでしょう(笑)。後で不倫相手にブチ切れられたんですけど、奥さんは『あんまり女の子を傷付けちゃ駄目よ』と諭す感じで大人の対応だったらしいんですよ。ところが、また不倫の関係はズルズル続いたんです。それで、このままじゃ駄目だなって思ってた時に知り合ったのがモノノフだったんです。それで、すぐに乗り換えました」
――そこまで熱い恋愛体質を持っていたなんて自分でも意外だったんじゃないですか。
「一人でいる時が長いと、恋愛していなくても自分の中で完結するんですよね。でも一度、味わっちゃうと男がいないと生きていけない! ってなっちゃうんですよね。痛いキャラですよ」
――モノノフの彼氏のお話に戻しますが、酔った時にグチグチ言うってことは、しじみさんが裸の仕事をしていたことに不快感みたいなものがあったんですか。
「好きって気持ちは持ってくれていたと思うんですけど、自分の中で許せなかったんでしょうね。そういう考えはしょうがないですよね。持って生まれた価値観というか」
――どのぐらい付き合ったんですか。
「短かったですよ。半年も持たなかったんじゃないかな。結局、私が耐えられなくて家を出ました」
――出版社勤めはどれぐらい続けたんですか。
「一年ちょっとで辞めました。上司との関係がうまくいかなかったんですよね。私を顎で使うような方で…それが普通なのかもしれないし、私のわがままなところなんですけど、私は無知なくせに謙虚さがなくて(笑)。まあ体育会系も通ってないし、会社勤めも初だったので、なかなか上司に対して下手に出られなくて。でも仕事自体は楽しかったですけどね。それで歯科助手をちょっとやって、島根に帰って」
――島根では何をしていたんですか。
「病院の受付です」
――島根で出会いはあったんですか。
「ありました。その病院の息子と付き合ったんです。年下だったんですけど、相手から告白して来て」
――また、ずいぶん手っ取り早いところで(笑)。玉の輿のチャンスじゃないですか。
「でも息子は医師免許も持っていない、ただのニートだったんです。親のカードを自由に使えるので羽振りはよかったですけどね」