「サルー!」(スペイン語で乾杯の意)
3人で乾杯した。ウェイターはどのタイミングで部屋を出てくんだろう…。コイツ、自分も遊びたそうだったしな…。
様子を伺っていると、彼はぼくに彼女を触るように促した。太ももに手を置くと、彼女は自分の手を重ねた。ウェイターはその様子をにやにやしながら眺めている。
ウェイター「それじゃ、おれはそろそろ行くわ。楽しんでな!」
残っていたビールを一気に飲み干すと、彼は部屋を出て行った。
これで邪魔者はいなくなった。彼女の太ももや二の腕を触りながら2人きりで会話を楽しむ。
そういえばさっきタコス食べたばっかりだ…臭ったら申し訳ないな。ガム食べておこう…。
口にガムを半分くわえて彼女の顔に近づけてみると、彼女はそれに喰い付いて、そのままキスしてきた。
やっぱりこの娘当たりだ!
唇を重ねていると、今度はニュルッと舌が入ってきた。それも向こうからだ。キスはだんだん激しくなり、お互いの身体を触り合うようになってきたその時、
ガチャッ
突然ドアが開いた。ビクッとしてドアの方を振り向くと、イカツイ中年男が部屋の中を覗き込んでいる。男は彼女になにかを言うと、すぐにどこかへ消えた。
嬢「ごめんね。あれ、ボスなの」
JOJO「そうなんだ。怖そうな人だね」
嬢「見た目はね! でもいい人よ。女の子の面倒見もいいし。たまにああやって部屋を覗きにくるの。お客さんは大抵びびってるけど(笑)」
JOJO「そりゃ、あの見た目なら誰でもビビるって」
実際、ボスと呼ばれるその男はずいぶん強面だった。こういう風俗店の経営だと、マフィアが絡んでいたりするんだろうか…。
メキシコのマフィアは凶暴なことで有名だ。麻薬組織摘発に動いた警察と戦争をはじめて、警察官を大量に殺害したりと、現地でもすこぶる評判が悪い。この店で揉めごとを起こすのは危険だ。一瞬、そんなことが頭をよぎった。まぁ今考えてもしかない。邪魔もなくなったことだし先に進もう。