――今回の『昭和三部作』シリーズで印象的な女優さんを何人か挙げていただけますか。
「『蝉鳴く夏の節操のない男と女』(『女たちの昭和 嫁と娘とお姉ちゃん/男の慰みの為に女の肉体は美しき』収録)の及川ひな多は明るくて頭の良い子でね。ある現場で虫に刺されて、私が軟膏を塗ってあげたんですよ。そしたら後日メールがきて、『監督に軟膏を塗られたことがエクスタシーで感じてしまいました』と書いてあったんです。それぐらい感性豊かな女の子で、お芝居も上手かったですね。あと『養父の慰み者になる養女の涙』(『女たちの昭和 嫁と娘とお姉ちゃん/男の慰みの為に女の肉体は美しき』収録)の雪平あいは数いる女優さんの中でも一番接吻が美味しかった。とにかく、とろけるような美味しい接吻のできる女の子で感動でした。
――接吻は教えて上手くなるものでもないんですか。
「接吻はテクニックじゃなくて、その人の持って生まれた感性なんですよね。唇を付けるとスーッと何気なく舌を入れてきて、ベロがとろけるように柔らかい。当然、女優さんのほうも接吻の美味しさを分かっているから、自然と男の中に舌を差し込んで喜ばせるんだよね。あと『憲兵隊・縄縛の地下牢』(『女たちの昭和 男はたくましく女はイヤラシかった/女は美し・いやらし・色っぽし』収録)の川上ゆうはダントツで性器が素晴らしい」
――性器ですか(笑)。
「あんな大人しそうな顔をして、華奢な体なのにアソコが大きいんですよ。ハメ心地というか挿し心地が良さそうで天下一品でしたね。もちろん性格も優しいし、人当たりもいいし。そういう人柄の良さが、男を骨抜きにするんだね。今回の『昭和三部作』シリーズには収録されていないけど、涼川絢音も性器が大きいんですよ。やっぱり擦りまくって、いっぱい使うことによって発達した生殖器なんだね」
――「憲兵隊・縄縛の地下牢」はタイトルにも掲げていますが、『女たちの昭和 男はたくましく女はイヤラシかった/女は美し・いやらし・色っぽし』には縄縛を扱ったエピソードが幾つかありますね。
「戦中に軍部が力をつけて、赤狩りなどで反体制の連中を捕まえて取り調べや拷問をやった時に欠かせなかったのが縄縛なんですね。やっている連中は権力を笠に着て、捕らえた女たちを縄縛して楽しんでいた時代があったんです。あと性の慰み者としての養女。お金持ちが貧しい家庭の娘を養女として貰って、養父が性のオモチャとした。あきらかに性的虐待なんだけれども、テクニックのある男は虐待ばかりではなくて、女性に性の喜びを与えていく。そういう時代を描いてほしいという声が、私のところに来るファンレターに何通かあったんです。その中には女性側の体験談もあったんですよ」
――それは生々しいですね。
「義父と養女というのは昭和らしいと思うんですよね。男尊女卑。封建制度。貧乏な家庭に育った娘が、口減らしと言う形で養女に出される。その際に『旦那様の言うことは、どんなことでも従順に聞きなさい。そうすることでお前は可愛がられて幸せになれる』と親は言い含める。事実、変に抵抗したら追い出されるだけですから、養父の言いなりになるしかない。しかし養父も馬鹿じゃありません。教養のある連中ですから徐々に性の喜びを教えていった訳です。そこを私は描きたいんですよ。人によってMは究極の喜びでもありますし、男に従う女の美しさも確かにありました。そこに究極の愛と性があるんです。何もかも現代がいいって訳でもないと思うんですよね」