「セレブなお妾」から転落した美人教師

※イメージ画像:Thinkstockより

 美女というのはいろいろとメリットも多い反面、道を間違えると思わぬ転落へと陥ってしまうこともあるようだ。

 明治43年(1910)7月19日の夜のこと、神奈川県葉山の海岸にひとりの女性が身を投げたのを、付近で操業していた漁師が発見。急いで救助して警察に届けた。

 助けられたのはお花(34)という女性で、やはり自殺を図ったとのことだった。そして、取り調べにそれまでの経緯を語った。

 八王子出身の彼女は、神田に下宿しながら学校に通い、卒業後は麹町にある裁縫学校の教師に就任した。

 ところがお花さんは、「一寸垢抜けしたる美貌」の持ち主、すなわちなかなかの美人だったため、「再三校内に醜聞を流」すことになる。つまり、詳細は不明であるが、美人ゆえに男女関係が派手になりがちだったのだろう。醜聞というくらいであるから、デートや食事程度で済むはずはない。下半身の関係にまで及ぶことしばし、といった感じであろう。

 そうしているうちに、妻子ある商人・徳左衛門(35)に気に入られ、ついに愛人として囲われるまでになった。そこで教師は退職。住まいを与えられ、かなりのお手当てを受け取ることになった。近所の住民からも、「女冥加と言わるるほどの贅沢なる暮らし」と噂されるほどだったという。

 しかし、セレブな暮らしはそう長くは続かなかった。教師時代の「醜聞」が徳左衛門の耳に入ってしまった。彼女の派手な男遍歴を聞いた徳左衛門は激怒。ふたりの関係がギクシャクし始める。

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