――最近では執筆活動のほかに、講演などでも忙しくされているようですが。
加藤:女性向けのセミナーが多くてね。これがけっこう困っちゃう(笑)。っていうのも、ここ数年「美魔女ブーム」ってのが流行ってるでしょ? その影響で外見ばっかりキレイにっていく女性が増えてる気がするんだよね。俺は、人間なんて年齢を重ねれば、誰だって相応の外見になると思ってる。だから、そんなに外見に関してムリする必要はない。
着飾ることで、ある種の「美」は保てるのかもしれないけど、メンタル面も成長しないと本当の意味での美しさって得られないと思うんだ。だから、中高年の女性を相手にしたセミナーとかでもハッキリ言うよ。「外面ばっかり気にするな」ってね(笑)。
これは男も同じ。女性ほど外見は気にしないかもしれないけど、誰だって寄る年波には勝てない。オジサンが若者ぶってもしょうがないんだよ。そりゃ、若いころに比べれば体力は落ちるだろうけど、それはそれでいいと思う。俺は心と体を合わせて100になればいいって考えてるからね。つまり、若いころには100の体力があったとしても、それは当然どんどん落ちていく。その減った分を精神面で補うことが大事だと思うんだ。
――ある種“諦める”ってことも必要なのでしょうか?
加藤:諦めるっていうよりは、今の自分を認めるってことかな。そうすることで、プレッシャーを感じなくて済むと思うし、ストレスだってたまらないと思うよ。「こうしなきゃダメ」とか「ああするべきだった」っていう考えは、自分の首を絞めているようなもんだから。
――自然体が一番いいのかもしれませんね。
加藤:そうそう。ムリする必要ないんだよ。でもそれが難しい(笑)。人間って、やっぱり外に出れば取り繕っちゃうし、相手に気をつかうことも多いでしょ? 自然体でいることなんて滅多にないと思うよ。絶対ムリって言ってもいいかもね。
――ではどうすれば?