SKE48時代の松井は清純派で知られ、完全ノースキャンダルで卒業までアイドルを務め上げた。ファンにとっては数少ない「信頼できるアイドル」だったが、それだけに女優に転身しても「どうせ元アイドルだから大したことはできないだろう」と色眼鏡で見られやすく、偏見を打ち破る意味でも今回の舞台は大きな意味合いを持つ。
しかし、アイドル時代からのファンにとって「オタ切り捨て」のように感じられて複雑。その一方で「女優さんになったんだから当たり前」「この程度で離れるファンは本当のファンじゃない」「ファンなら応援すべき」といった意見もあり、賛否両論の状態だ。また、6月17日に放送されたバラエティ番組『ラストキス~最後にキスするデート』(TBS系)に出演した元AKB48の永尾まりや(22)が、水着姿でイケメン俳優と抱き合いながら濃厚キスをしたことを例に挙げて「あれよりはマシ」「まりやぎのファンに比べれば…」と評する声もある。
いずれにしても大きな衝撃が走っており、ファンの減少が危惧されているが…。
「キスや胸揉みが話題になりがちですが、肝心の舞台内容は業界内でも評判が高い。松井の演技力が思った以上に高く、殺陣は多少不慣れなところがあるものの、その存在感は過去の歴代沖田役の中でもトップクラス。この評判は確実に業界内に広がり、映画やドラマのオファーが殺到しそうです。ただの『元アイドル』ではなく、女優としての実力と演技に対する真摯な姿勢をアピールする効果は大きい」(芸能関係者)
松井に対する評価は実際に高く、同舞台の演出を手掛ける岡村俊一氏は「松井玲奈の『幕末純情伝』は傑作です。もう玲奈以外ではやりたくない。当分、ほかの誰も演じられない」と最大級の賛辞を送っている。アイドル時代からのファンにとってはショッキングすぎる部分があるが、これをきっかけに松井は大きく躍進することになりそうだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)