大正6年(1917)6月6日、新聞各紙が警視庁刑事課の現役巡査による犯行を報じた。
その38歳の巡査は、留置場内に拘留中の6人の女性に対して、「凶器の所持を調べる」と称して全裸になるように指示。そのなかの、もっとも美人と思われる21歳の看護師をトイレに連れ込むと、その場でレイプに及んだ。
後日、被害にあった看護師がこの巡査を告発し、事件が発覚した。犯行に及んだ巡査は、勤続10年、東京・巣鴨の一戸建てに住み、妻子もいる身分だった。
この事実を受けて、元巡査は7月14日付で懲戒免官、同時に身柄を司法へと送られた。
取り調べによって、この元巡査がこれまでに同様の強制わいせつやレイプを繰り返していたことが判明した。
ところが、公判では元巡査は「わいせつ行為はしたが、強姦はしていない」と犯行の一部を否定。しかし、東大医学部助教授の鑑定により、強姦された可能性が高いことが確認された。