重い足取りで深夜のすすきのに戻り、肩を落としてソープ街近くを歩いている時、ひとりの客引きが声をかけて来た。
「お遊びいかがですか? ホテルにうかがわせますよ」
ポン引きだった。近くにある『T』ホテル前には以前からポン引きがいたが、それがソープ街近くに流れてきたのだろう。
「どんなコがいるの?」
「正直な話、今は四十路しかいないですけど…」
すすきのでもやっぱり四十路か…。しかし、ボウズよりはマシとお願いすることにした。
30分後、筆者はホテルのベッドの上で、スレンダーだが、入れパイの四十路妻と疲れきった身体で一戦を迎えていた。
「ウチみたいなデリヘルは随分減ったの。『○○』(人妻ヘルス)なら、追加でさせてくれるかもよ」
入れパイ妻はそう教えてくれた。翌日、札幌を立つ前にその人妻ヘルスに行き、32歳のロングヘアーの美人妻にお願いしてみると、
「うーんと、5000円だったかな、それならいいよ」
少し照れくさそうにそう言った。デリでなく箱でできたのが、何よりの収穫である。しかし、1万円で遊べるソープがある街には、裏風俗の存在意義は薄いのかもしれない。
(写真・文=松本雷太)