かつて、楽しかったはずの函館の裏風俗スナックでは、六十路のバアさんに言い寄られ、ほろ苦い思い出となってしまった。
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再開発に消え行く街から次に訪れたのは、札幌・すすきの。この街にも数年前まで、若くてカワイイ女のコが集まる裏風俗街があった。しかし、そこも摘発の憂き目に遭い、現在は門を閉ざしたままとなっている。
とは言うものの、ネット上では年に一度くらいは「再開してた」という噂が立つこともあり、自分の目で確かめずにはいられない場所のひとつでもある。
すすきのの中心から15分程歩いた豊平川のほとりに、その2つの建物は現在も残っていた。そのひとつが開いていないことは、誰の目にもすぐにわかった。入り口には1メートルも雪が積もったままになっていたからだ。もうひとつの建物の方は、ちゃんと雪かきされていたが、営業というよりは、住人がいる様子。しかし、窓からは豆粒ほどの灯りもこぼれてはいなかった。
うなだれてタクシーで向ったのは、2軒ほど本サロが残っているはずの月寒の飲み屋路地。
「しょんべん横丁」と呼ばれるその路地は、雪の中にカラフルな飲み屋の看板がズラリと並び、まるで昭和の映画に出てきそうな雰囲気である。
10年ぶりにその路地を歩いてみるが、2軒どころか怪しそうな店は一軒も見当たらない。
そば屋に入り、バアちゃんに聞くと、
「最後まであったピンクサロンはね、去年の暮れに閉めたの」
…残念としか言えなかった。函館だけでなく、札幌でも裏風俗は壊滅状態になっていたのだ。