月刊桃色新聞【最終回】

「今年の私の“性事”は75点! だけど日本は…」AV出演のために離婚した新人女優は日本の未来に何を思う?


──国民の政治への関心といえば、2015年は安保法制をめぐるデモも盛んに行われました。

千葉 私はデモに参加したことはないけど、心斎橋や御堂筋あたりは、列が途切れないほど抗議運動ですごいことになってて。「これだけの人が平和を訴えてるんや」って身に染みて感じましたけど、それでも成立してしまうんだなって……。

──失望したと。

千葉 言い方は悪いけど、いくら声を上げても、叶わないものは叶わないという現実を知ってしまったというか。小さなお子さんをデモに連れてきてるお母さんたちを見て、なんともいえない気持ちにもなりました。

──一応、国会で審議されて賛成多数で可決された法案だから、手続き上は問題ないとはいえ、ですよね。

千葉 思い返してみても、あの可決はちょっと強引だったと思います。

──兵庫県出身のねねさんという点でもうひとつ、神戸連続児童殺傷事件の犯人である元少年Aが、6月に手記『絶歌』を出版しています。

千葉 被害者の親御さんのことを考えると、いたたまれない。事件当時、私は10歳くらいだったのかな……すごい怖かったのは覚えてます。被害者の男の子と年齢も近かったし、あれから少年犯罪が凶悪化したように思います。

──ひとつの象徴ですよね。15年2月には川崎市中1男子生徒殺害事件という痛ましい事件がありましたし。

千葉 元少年Aは本を出しただけじゃなく、自分のサイトまで立ち上げて炎上していましたよね。“心から反省する”って、どういうことなんだろう? って感じました。

──少年犯罪は少年法とセットで語られがちで、要するにたとえ少年であっても、あまりに凶悪な犯罪を犯したなら極刑に処すべき、みたいな議論も幾度となく起こっています。

千葉 人の生死にかかわるデリケートな問題ですけど、被害者の立場になって考えると…心情的には死刑もやむを得ないと思います。

──一方で15年といえば、佐野研二郎パクリ疑惑を中心ににぎわった東京オリンピックがらみのドタバタも。

千葉 どんどん余罪というか、パクリ疑惑がとめどなく湧いてきましたよね。しかも結局、謝罪らしい謝罪も弁明もなく、パクリも認めてないまま、いつのまにか収束しちゃいましたね。裏の力で社会的制裁を受けずに、また普通に大きな仕事をこなすんでしょうね。

──エンブレムが発表された7月下旬から派手に炎上してたけど、9月に成立した安保法制に話題を持っていかれた感じでしたね。

千葉 最初から「デザインがヒドすぎる」って言われてましたけど、公の場できちんとした説明がなかったから、白紙撤回になったわけですよね。きちんとした謝罪と弁明があれば、ロゴを支持し続けてくれる人がいたかもしれないのに。

──関西人として、東京でのオリンピック開催に何か思うところは?

千葉 日本で開催されること自体、
単純にうれしいですし、楽しみ。昔はスポーツ観戦とか全然興味なかったんですけど、ここ5年くらいでよく観るようになって。先日はラグビーのワールドカップで熱狂して、五郎丸さんフィーバーなんかは、15年の数少ない明るい話題かもしれないですね。

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