もちろん、男のひとり旅でこの地を訪れ、足湯に浸かることもあるだろう。そうすると、地元の事情通いわく、逆ナンされるのだという。その話を聞きつけた筆者は、実際に行ってみることにした。
近隣には風俗店のネオンが輝き、まずはそちらでと思ったが、そこをグッとガマンして靴を脱いだ。
この足湯にはいろんな人たちが入れ替わり立ち替わりやってきた。もちろん、女性も。しかし、彼氏と思われる野郎と一緒だったり、女のコ同士だったりと、どちらにしても観光客ばかりだった。結局、ひとり取り残されるカタチとなった。「ガセネタかよ!」と思い、その日は諦めた。翌日にリベンジすることにしたのだ。
翌日の夜、ふたたび足湯を訪れた。前日よりも人は少なかったが、そこにいるのは観光客とおぼしき者ばかり。また不発か、と思い始めたその時、「ここは初めてですか?」と話しかけてくる女性が現れた!
見た目は30歳前後だろうか。いかにも“旅館のもの”的な浴衣を着ていて、女性のひとり旅といった感じだ。その後も、「どこか楽しい場所はありました?」とか「温泉はどうでした?」などと話しかけてくるのだが、会話毎に距離を縮めてくる。
筆者が「もしや?」と思い始めたときに、「よかったらウチと遊ばへん? もっと温かくなるよ」と微笑んだ。さらに、「コレでええけん」と人差し指を立てた。つまり、大1枚ということだ。これが目的だったので、迷うことなく即決した。
女性に足を拭いてもらい、彼女の後についていく。アーケード街から脇道を入り、少し歩くと旅館があった。一緒に中に入ると、女のコが廊下の奥にいた中年女性に「お客さんよ」と声をかける。すると、その中年女性が「大1枚」と素っ気なく言い、それに従った。
2階の6畳ほどの広さの部屋に通された。ちょんの間としてはかなり広い。おそらく、以前は普通の旅館として機能していたのだろう。周囲からは“最中の声”が聞こえていた。
プレイはいきなり始まった。素早く服を脱がされ、そのまま布団の上で乳首舐めをしながらの手コキでスタートだ。筆者のイチモツがムクムクと大きくなり始めたところにスキンを装着させられ、ゴムフェラとなった。
テクニック的には上の下といったところか。亀頭をチロチロと舐めてから、深く吸い込むようにしゃぶり、なかなか丁寧なゴムフェラである。しかし、時間が少ないというちょんの間のシステム上、どこかせわしなく、機械的であった。それでも、彼女が上になって無事フィニッシュ。正面座位のようなカタチで筆者は果てた。
翌日、地元の事情通にこの件を話すと、足湯に現れる女のコたちは「元々Nで働いていたらしい」と教えてくれた。つまり、店はなくなったが、場所とシステムを変えて生き残っているようだ。そういえば、アーケード街の角には、数年前と変わらずに客引きと思われるオバちゃんが立っていた。N以外の場所での需要はあるということなのだろう。
結局のところ、排除したところでカタチを変えて生き残る。それが風俗の逞しさなのかもしれない。
(文=子門仁)