SMの女王様が明かす「有名人専属」破格のギャラとその実態


 そんなある日のこと、Kから久々に連絡が入った。知人に香織さんの調教を受けたい者がいるのだという。しかも、破格の条件を提示してきた。

「そんな好条件を出すのは、最近だとネット関係の仕事で瞬間的に富を築いて、SMにちょっと興味があるからというタイプの若いエグゼクティブが多いの。でも、そういう人たちって遊び方がスマートじゃないというか、大抵が下品なのよね。最初はそんな人だろうって思ってた」

 まずは諸般のことについて話し合いをすることになり、呼ばれたのは都内の一流ホテルのスイートルームだった。ドアを開けて待っていたのは、「ヒントは絶対に言えない。バンドとかグループとかソロとかも言わないけど、超有名なアーティストだった」そうだ。これには香織さんも驚いたという。

 筆者は特別にヒントをもらったが、“誰もが知るアーティスト”としか言いようがないビッグネームに辿り着いた。ちなみに、彼がMというイメージは筆者には一切なかった。

 そして、彼に提示された条件は本当に破格だった。まず、住居兼プレイルームとして都内一等地に建つデザイナーズマンションの最上階の部屋の用意。その部屋には、香織さんがフィットネスマニアであることを考慮して、最新のトレーニング器具に加え、マンション内にあるジムの利用時にはパーソナルトレーナーを付けるという。これだけでもすごい待遇だが、提示された金額もすごかった。

 香織さんは、その金額を右手を開いて示した。つまり5を意味するのだが、もちろん50万円ではない。そして、それは月額だった…。なんでも、その依頼者は月額で提示した額の10倍の収入があるのだという。

 しかし、このことを口外されることを恐れていて、契約の条件として、報酬と衣食住を保証する代わりに外出禁止、さらに外部との連絡禁止であった。これには香織さんも「絶対に無理だと思ったし、調教する側が窮屈を感じてしまったら調教にならない」とお断りしたそうだ。

 現在香織さんは関西地方にいて、幅広く事業を展開する60代男性の専属女王様になっている。もちろん、アーティストに提示された額とは程遠い金額だが、「相手との相性が抜群なので楽しいわ」とのことだ。

 我々のような一般人には理解のできない金持ちの金銭感覚だが、そのアーティストをテレビや雑誌で見るたびにニヤニヤしてしまう筆者なのであった。
(文=子門仁)

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