都市開発によって、夜の歓楽街としての表情がスッカリと変わってしまった新宿区歌舞伎町。かつては、日本を代表する風俗街であり、ファッションヘルスをはじめとする風俗店が軒を連ねていた。
しかし、ここ最近は“表向きは健全な街”に変わりつつある。それゆえに、閉店に追い込まれる風俗店も多い。
また閉店とはいかないまでも縮小営業を余儀なくされる店も多いようで、営業は苦しいようだ。これに若者の性風俗産業離れも拍車をかけているのは言うまでもなく、歌舞伎町だけではなく、全国的な問題である。
その中でも、ストリップ劇場は年々数が減る一方で、古くからのファンを嘆かせているが、それでも歌舞伎町の中には3軒のストリップ劇場がある。同じ地域の中に3軒も存在するのは、歌舞伎町だけであり、さすが日本一の繁華街と言われるだけはある。
しかし、今、その中の1軒で、一番歴史のあるストリップ劇場が窮地に立たされている。1977年5月に開館した『新宿歌舞伎町TSミュージック』（以下、TSミュージック）である。
38年に渡って歴史を築いてきたこの劇場が、入居するビルからの立ち退きを求められ、現在法廷闘争中なのだ。もし敗訴すれば、廃業に追い込まれかねない状況だ。なぜ、このようなことが起こったのか？ 同館を運営する有限会社テイ・エス観光の取締役である岡野健太郎氏に話をうかがった。