「だって、そういうプレイだもん、このコース。昔のファッションヘルスって、やたらとイチャイチャしていたんでしょ?」
確かに、昔のファッションヘルスで働いていた女の子って、イチャイチャというよりも、中にはなれなれしいほどの女の子もいたよなぁ。と、マナミちゃんの言葉に少し昔を思い出した。それにくらべたら、今の女の子はクールな女の子が多いかもしれない、というのは、あくまでも個人的な範囲での感想だが…。
マナミちゃんいわく、この『懐かしのファッションヘルスコース』は、イチャイチャな密着恋人プレイとのこと。そうか、ファッションヘルスといえば、それぞれの部屋(ブース)が決して広くなく、そこでの密着感がタマらなかった。そして、東京の風俗がデリヘル主流になった際に感じた“なんだかわからないモノ足りなさ”とは、密着感だったのではないかと思った。
そういえば、ほかの店舗の話になるが、横浜の熟女専門箱ヘルで働いているAさんは風俗歴20年で、全ジャンルの経験者というツワモノである。彼女は、
「ファッションヘルスだと働くほうも、あの空間がイロイロな意味で“いかにも風俗!”って感じで、燃えちゃうの。でも、ホテルでのプレイは、なんか“割り切り感”があるっていうか、援交みたいで抵抗がある」
と言ってたっけ。20年以上風俗通いをしている筆者も同感だ。だが、裏を返せば、今どきの女の子にとっては、デリヘル・ホテヘルは割り切り感があるからこそ働けるのかもしれないが…。
もちろん、ホテルでプレイをするデリヘルでも女の子は密着してくれるけど、やはり、その広い空間ゆえの開放感的なものが、密着度を薄めているような気もする。
「だからね、プレイ中はずっと密着するように心掛けているの」とマナミちゃん。彼女の気持ちが伝わってきたからこそ“あの頃のように”心地良い。そのまま何も入る隙間がないくらいにくっついてシックスナインの状態から発射に至ったわけだが、気持ち良さの中に懐かしさを感じ、満足な筆者なのであった。
風俗にはいろいろなジャンルがあり、もちろん、それぞれに良い点がある。さまざまな風俗をこれからも存分に楽しむべきだと、改めて実感した筆者であった。
(文=子門仁)