【世界風俗探訪・ジャマイカ編】 売春宿で“神様”の友達としてもてなされた


 ところで、先ほどから登場している“I氏”であるが、彼の名前は今回の旅のキーワードにもなってくるし、本人の了承を得たので本名(苗字)を明記する。彼の名は入江で当時40歳の音楽業界関係者である。

 入江さんいわく、「世界中で“俺が”住みやすい国はジャマイカしかない」とのこと。それは夜の生活を含めてであり、彼と行動すれば楽しく現地の風俗を楽しめるというのだ。そんな彼と遊ぶ前に、まずは空腹を満たそうと食堂へ。ジャマイカのソウルフードであるジャークチキンに舌鼓を打ちつつ、入江さんが20歳位のグラマラスな女性店員に何やら話しかけた。

 え? もしかして、ここが風俗店なのか? そんなことを思っていると、入江さんが提示したパスポートを見たグラマラス店員が目を丸くしている。その5分後、我々のテーブルに、再びジャークチキンが届いた。“サービス”だという。

 その後も、飲食店で入江さんがパスポートを提示すると何かしらのサービスを受けることができた。しかも、行く先々の人々が、時に入江さんに敬意を抱いているかのような素振りも…。

 いったいなぜか? 入江という名前をローマ字表記にすると『IRIE』となる。この『IRIE』という単語はパトワ語で“アイリー”と読み、日本語ではジャストフィットで該当する言葉はないが、ニュアンス的には「楽しい」「最高!」「嬉しい!」「平和」と、とにかくポジティヴな言葉なのである。

 そんな単語が名前であるから、入江さんはジャマイカでは、若者的にいうところの「神な存在っす!」となるのだ。もちろん、ちゃんとしたホテルなどでは正規の値段を払うし、なんの効果もないが、“言い値商売”のところでは前述のようなサービスを受けることがあるという。それは“夜の商売”でも…。「だから、ジャマイカに来るのがやめらんないの」とニヤリとする入江さんと共にアップタウンにあるクラブへ。

 すると、数回も来ている、しかもアイリーな日本人ということで、ちょっとヤバイ感じのデカイ男がニコやかに話しかけてきた。顔見知りらしく「ガール?」と聞かれ、入江さんは「イエス。ウィズ・マイ・フレンド」と言った。さっそく男が「ツー? OK!」と電話で何やらやりとりを始めた。

 5分ほど過ぎたころだろうか。いかにもコールガールという感じのミニスカートをはき、長いソバージュヘアを揺らすふたりの褐色の女性がやって来た。入江さんが男と何やら話すと駐車場に案内され、6人乗りのピックアップトラックに皆で乗り込んだ。

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