ハプニングバー狂いの女子に見るイマドキ30代女子の性欲のカタチ

クンニクマン氏近影。世界で唯一! クンニを生業とする『舐め師』。店内には大人のおもちゃやコスプレグッズがいっぱい

 
 その女性はおもむろに立ち上がると、シャワールームに入り、胸のふくらみがわかる、ゴールドのキャミソール姿に変身した。女性のプロポーションを一瞥して、すかさず誉めちぎる両隣の男性たち。あんなに、自分の体を褒められる機会って、そうそうないんじゃないだろうか。まるでお姫様状態の女性に正直、羨ましさを感じてしまった自分がいた。

 そして、なんと女性は男性ふたりを引き連れて、すぐ側のプレイルームに入っていくではないか!

 その後の展開はなんとも形容しがたい。ペッティングの様子が伺える前戯の音と、女性の艶かしい喘ぎ声が微かに聞こえるが、薄いカーテンが引いてあるため何も見えない(泣)。しかし、何やら肉と肉がぶつかるような音は聞こえてくる…。

 「す、すごい、これがハプバーか!」とひとりで興奮したが、それと同時に「ここって女性が気軽に性欲を発散できる場所なんじゃないの」という冷静な考えも浮かんできた。

 私はコトを終えた女性にこっそりと職業を聞いてみることにした。なんと某大手企業の事務だという。私の直感はどうやら間違いではなかったらしい。そんな彼女は週1でハプバーに通っているという。

「普通は彼氏、彼女にならないと肉体関係って結ばないですよね。私、彼氏はいるんですけど、ちょっと性欲が強いので、なかなか満たされないんです。ここだとそれを発散できるっていうか…。それがハプバーの魅力ですかね」

 どうしてハプバーに通っているのか聞くと率直に答えてくれた。女性がオナニー以外で、性欲を満たしたいと思ったときに行けるべき場所はあまりに限られている。出会い系などで見知らぬ人と会うにはリスクもある。ハプバーは、ほかの客やオーナーの目があるだけに、彼女にとって安心して遊べる場所なのだ。

「私は独身ですが、結婚しても旦那さんとのセックスレスで悩んでいる女友だちってけっこう周りにいるんですよね。そんな子にはこういう場所を活用して欲しいと思う。最初はちょっと怖いかもしれないけど、紳士な男性が多いから喋るだけでもきっと元気になれるよ!」

 彼女は同僚や女友だちとは性の話はほとんどしないという。そんな彼女が、同世代の女性に伝えたいことがあるといって力説してくれた。ハプバーは現代の女性のためにこそ必要な場所なのかもしれない。
(文=菅野久美子)

菅野久美子(かんの・くみこ)
アダルト系出版社司書房を経てAV情報誌やホスト雑誌、女性週刊誌で活動。
現在フリーのライター。
著書に『アダルト業界のすごいひと』(彩図社刊)がある。
8月10日に2冊目の単著となる『エッチな現場を覗いてきました!』(彩図社刊)を発売。

※ハプニングバーは風俗店ではありません。世間では異端かもしれない、さまざまな性癖なり趣味を持つ方のためのコミュニケーション・スペースです。


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