錦糸町の中国マッサージ店のVIPコースは…
東京スカイツリーが完成して数年経つが、そのせいなのか否か、錦糸町と亀戸の大陸エステの状況が大きく変わっている。
「近所にたくさんあったエステが全部なくなって、残ってるのは健康系だけ。今はわざわざ小岩まで行ってるよ」
亀戸に住むエステ好きの某誌編集者はそう嘆く。夜の街を歩いてみても、地下にあった老舗中国エステもなくなっていた。
場所を隣の錦糸町に移し、丸井裏の歓楽街近くの路地を歩いている時、激安のクイックマッサージを見つけた。中国エステでも「気持チイイヨ、3000円カラ」というのが定番だが、ここは格安! 歩き疲れたので、ひと休みしようと入ることにした。
現れたママは、やっぱり中国人だった。看板のクイックマッサージをお願いすると、不思議なことを聞いてきた。
「大キイ女? 小サイ女?」
「…へ?」
好みを聞かれたと思い、「小さいコ」をお願いした。
受付のうしろにある、天蓋付きでマットが3つほど並んだスペースで待っていると、現れたのは、小柄だけどオッパイが大きく、ムダに胸元が広いTシャツを着た三十路の女性だった。ロングヘアーで、けっこうカワイイ。
(他に客はいないけど、このオープンスペースなら健全店だな)
そう思いつつ、マッサージが始まると、どちらも服を着たまま、肩もみから始まって、うつぶせで背中、腰を足でグリグリ。けっこう気持ちよくて女のコに話しかけた。
「オネエさん上手だね。もう長いの?」
すると彼女、あわてて顔を寄せて言った。
「痛イデスカ?」
「え? …イヤ、大丈夫」
その後、仰向けになると、腕や大胸筋を揉む彼女の胸元が、チラチラと非常に気になり、また話しかけた。
「オネエさん、中国のどこの人?」
「アッ、イタイ?」
どうやら日本語はまったく通じないようだ(笑)。クイックマッサージが終わったところで、ママからおもしろい説明があった。手に持っていたのは、半裸の女のコが並んだ写真入りのメニュー。それを見せながら、
「VIPコースハ60分1万2600円ヨ。コレガ一番人気ヨ。オ店ジャナイヨ」
そう言ってニヤリと笑った。
「てことは、ホテル? ホテル代いくらくらい?」
「ダイジョブ、マンションノ部屋アルカラ」
女のコを連れ出してマンションの個室に…
格安エステの本性は、今まで聞いたこともない連れ出しエステだったのだ!
場所は近くにあるマンションの一室。6畳間をつい立てで半分に仕切った部屋で、今度はクイックじゃない最後までのマッサージを堪能した。
しかし残念だったのは、彼女と最後まで言葉の意思疎通ができなかったことだ…。
(写真・文=松本雷太)