「橋本も証言していましたが、業界内に『篠山先生は怒らせたら怖い』というイメージを流布しておいて、実際の現場では気さくに接するんです。女の子と一緒にはしゃいだり、悪ふざけしたりと大御所らしからぬ言動で和ませる。さらに撮影では女の子を褒めまくります。緊張しながら現場入りしていた女の子たちは、そのギャップにコロッと心を許してしまうんです。高圧的な態度で脱がせようとするカメラマンもいますが、それだと若い女の子の大半は引いてしまう。篠山さんは優しく接することで自発的に脱ぎたくなるような気持ちにさせるタイプです」(出版関係者)
まるで「北風と太陽」のようだが、70歳を過ぎた現在もそのスタンスは変わっていない。2012年に当時AKB48メンバーだった篠田麻里子(29)の撮影を手掛けた篠山氏は、現場で「女ヒョウのポーズ」を披露するなど大はしゃぎ。篠田は「紀信ちゃん」と篠山氏を呼び、Twitterでその様子を公開していた。
「孫ほど年の離れた女の子に『紀信ちゃん』呼ばわりされても不機嫌になるどころか、ノリノリだったようです。それに限らず、篠山さんは相手が無名の女の子であろうと全く大御所ぶらずに友達感覚で接し、被写体の気持ちをつかんでしまう。普通は年を取ったら偉ぶりますから、なかなかできることではないですよ。それが何十年も写真界の第一線で活躍できている理由の一つでしょうね」(前同)
女性の心をつかむ秘策として、我々も教訓にできそうな話だ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)