「でも、実際に行ってみると、とくに地方は閑古鳥で、約束の額を払ってもらえなかったという話も耳にしました」(ライターK氏)
それでも、熱心に応援してくれるファンのために休演したくないと考える嬢もいるという。基本的に小屋の楽屋に寝泊りするため、宿代がかからないのは救いか。
また、このような契約は(支払われないパターンもあるが)、まとまった金額を提示されるので、まだいいほうだという。というのも、最近では『プライベートシアター』と銘打ち、たとえば出演踊り子は一人で、ギャラは入場料とチェキの収入を劇場と折半、というところもあるようだ。しかし、客がゼロの日も少なくない。そうなれば、収入は当然ながらゼロだ。つまり、踊れば踊るほど、裸を晒せば晒すほど踊り子が損をすることもあるという。もっとも、客数が3名以上でないと開演しないという劇場もあるのだが…。いずれにしても踊り子の懐事情は厳しくなる一方のようだ。
また、劇場に呼ばれて“ギャラは○月○日に支払います”と念書を交わしたものの、期日に振り込まれず、連絡を取るとすでに閉館というパターンもあったという。経営者が閉館を見越して最後に一儲けしようと企んだのであれば悪質だが…。また、そういった厳しい状況がそうさせるのか、踊り子の中にはファンに枕営業をかけているといった話まで出る始末だ。
「…まぁ、そういう人がいるということは聞いたことはあります。たしかに、最初は満足するでしょう。でも、その結果、そのファンは劇場に足を運ばなくなり、よけいに負のスパイラルに陥ることになる。そのことを理解していたら…」
もちろん、真っ当に踊り、人々を感動させるストリッパーが大半であることは間違いない。だからこそ、彼女たちのためにも、このような状況に苦言を呈したいのだと、Kさんは表情を曇らせるのだった。
(文=子門仁)