『いい風俗店』って、なんだろう? ユーザー目線で考えると、やはり安いということだろうか? それとも女の子のクオリティなのか? それは、風俗業界で働く人間の目線で考えると、また違ってくるのだろうか? たとえば中国地方の某県で繁盛しているデリヘルがある。十数年前は、いわゆる店舗型ヘルスとして経営していたそうだ。それが、なぜ、デリバリー部門を作ったのか。
それ以前に、なぜ、そのデリヘルは繁盛しているのか? まず、女の子の人数が充実しているからだろう。そして、その店を取材をした時に、在籍嬢たちはこう言う。
「ウチの店、“いい店”ですよ!」
それは「アットホーム」であり、「チームワーク重視!」ということらしい。それゆえに女の子にとっては働きやすいということなのだろう。
その“働きやすさ”を支えているのがドライバーの美香さん(仮名:35歳)である。そう、女性スタッフなのだ。
実は彼女は、「はい、風俗嬢でした。自慢じゃないけど、指名がナンバー1になるほど人気者だったんだから(笑)!」と明るく笑う。
しかし、13年前のこと。プライベートで行ったスキーで左足をケガしてしまった。腱が断裂するほどの重症で、ヒザが曲がらなくなってしまうほどであった。
「あっ、わたし、風俗嬢として終わったなぁ~って思った。だって、風俗のお仕事って、けっこうヒザを使うでしょ? しゃがんだり、四つん這いになったり。それができなくなっちゃって…致命傷よね。だから、“もうお店に戻れないや…”って、そう思ったの」