彼女は現在一般人なのでイニシャルに関係無くAさんとしよう。Aさんは18歳の時に某事務所主催のコンテストでグランプリを獲得したことがキッカケでデビュー。と、言っても華々しくCDデビューをするワケでもなく、グラビアの仕事も少なく、ラジオ番組のアシスタントなど、細々とした活動のみ。
ただ、素直な性格で事務所の先輩の大御所女性タレントや関西芸能界のドンと呼ばれていた故・Y氏に気に入られていたこともあり、細々ながらも生活はできていた。
そんなAさんは数年後に芸能界を引退。表向きには公表されていなかったが、同棲していた人気グループのメンバーだったTとの結婚準備のためだった。その後、AさんはTの子供を出産したが…待っていたのはDVだった。もともとTはだらしの無い性格だったようで、都内一等地に住みながら住民税を払わずに数百万円の督促が来たり、酒が入ると最悪だったらしい。なお、そのDV内容は車で轢かれたりと凄まじいものである。
当然のことながら離婚となったが、Tの方が生活力・財力があったからと親権を持っていかれたAさん。自分のお腹を痛めて産んだ子を取り戻したいと、その後、何度か法廷に立つことになる。
生活力云々を指摘されたので、彼女は芸能活動を再開しつつ美容系の専門学校に通い手に職をつけて独立しようとした。ここで焦ったのはTサイドだ。実は離婚騒動が発端になってグループを脱退させられたTは、地元に戻りローカルタレントになっていた。が、それほど仕事もなく、生活力ではAさんに逆転されつつあったのだ。Tサイドは、このままでは親権が移ってしまうと懸念していたという。
親権を巡る裁判も佳境に達しようとした時のこと。Aさんが地元の風俗店のホームページに在籍嬢として掲載されたのだ。しかも、経歴では前所属事務所の名前を出され、源氏名も本名そのままで…。そして、Tの親から「そんな仕事で稼いでいる女に孫は渡せん!」との連絡が…。それで再び、娘が遠のいたAさん。
これといった確証は無いものの、タイミングがタイミングなだけにAさんはTサイドが風俗店に写真を渡したのではないかと疑念を抱いたのはいうまでもない。以降、人間不信となったというAさん。現在は芸能とは関係のない仕事をしているそうだが、激ヤセした姿が目撃されている。
Aさんのケースは特殊かもしれないが、一般の女性がある日、突然、風俗嬢に仕立てられるケースは有り得ないことではない。
(文=子門仁)