──グラビアアイドルはギャラが厳しいという話は業界では有名ですけど、一般の方には浸透していないのかも?
二宮:本当にそう。よく芸人さんのギャラが安いという話はフォーカスされているけれど、ヘタしたら芸人さんよりグラビアアイドルの方が厳しいですよ。だから、大手出版社の編集さんとか、テレビ局関係者か広告代理店の高給取りをひっ捕まえるしか、ある意味生きていく方法がないって子もいますよ。もしくは、夜の仕事をするか、バイト三昧か実家暮らしか。
──自己プロデュース能力がないと飲み込まれてしまう世界でしょうね?
二宮:それはありますね。その点、ネットの力は偉大ですけどね。自分からある程度のイメージは発信できますから。でも、それだけじゃ~ね。何もかも飽和状態ですよね。流行ったところに飛びついて、その代りすぐに飽きられちゃって。
──それもあって、自分で道を作るしかなかったというところもあるんですね。そして、4月に事務所を立ち上げたとか?
二宮:はい。自分でもビックリなんですけど、『WB』という事務所を設立しました。『WB』は、Walking Beauty(=歩美)の頭文字です。両親が“人生を美しく歩めますように”って意味でつけてくれたんですが名前をそのまま社名に。話が出たのは2月の中旬くらいで、本格的に準備が始まったのが3月の中旬ですから、実質2週間で会社を作っちゃいました。
──その短期間に一体何があったんです?
二宮:元々、キャスティングの仕事も請け負っていて、プロデュースも個人でやっていたんです。そのうちに、お取引先の社長からも「新人の世話をしてくれないか?」と頼まれたりしてきて、その人数がどんどん増えていったんですよ。個人では賄いきれなくなってきたので、この辺で事務所を立ち上げようかという話になりまして、誰が代表になるのかってなった時に、それが私だったと。私自身も、最近仕事が重なってお断りすることが増えてきていて、その度に危機感を覚えていたんですよ。自分のところで賄えないなら手放すしかない。これほど悔しいことはないですよ。そのうちに、自分の後輩がいれば代わりに行ってもらえるようになるのになって思うようになって。だから、いつか漠然と事務所を作れたらいいなって。そのいつかが、今になったんですよね。
──自分の代わりに行って欲しいというのは、フリーなら誰もが考えることですもんね? 断る度に焦りますからね。
二宮:でしょ? もう自分に回ってくることはないんじゃないかって。あと、今後、子供ができた時に、私は現場から離れなくてはならない時が出てくるかもしれない。そうなると完全に今まで築きあげてきたことも無駄になってしまうのではないかと思ったら凄く怖くなって。それなら、まずはこっちの世界でしっかりと私の大切な仕事を担ってくれるベイビーを作っておかないといけないんだなって思ったんです。
──現在、どういったプロデュースを手掛けているのですか?
二宮:電子出版のポータルサイト【e-SHINBUN】のイメージガール『e-SHINBUN girls』や、産地直送野菜の販売サイト『マイファーマー』のPR用のニコ生番組企画【マイファーマーチャンネル】の総合プロデュースだけでなくキャスティング、制作、出演までなんでも。
──【マイファーマーチャンネル】とは、どんな番組なの?
二宮:安心安全なお野菜を販売するネット通販サイト【マイファーマー】が、月に2回、代官山で直売所をやっているんです。それが「代官山マルシェ」というんですけど、そこからの生中継をするネット番組です。私、食生活アドバイザーの資格を持っていて、食べ合わせなどの勉強をしていたんです。もし芸能界に進まなかったら、栄養士か調理師になろうと思っていたくらい。なので、その知識を活かしてこれからレシピなども考案していけたらなとも思っています。
──キャスティングもされたんですよね?
二宮:食にまつわるタレントを集めたんです。まずは、元チェリーパイのみほ(34)。今はぬか漬けアイドルとして活躍していて、ぬか漬け大使にもなったんです。後は、以前、MEGUMIさん(33)と芸能人農業部という企画をやっていたんですけど、その時のメンバーを集めました。愛川ゆず季(31)・相澤仁美(32)・浜田翔子に、柳野玲子ちゃん(33)は、釣り好きには知らない人はいない釣りアイドル。あとは、わたし二宮歩美と、WBの所属タレントの松本由理(27)とゆうか(19)です。
──アイドルって受け身のイメージがあるけれど、ここまで積極的にキャスティングしてプロデュースするアイドルがいるとは驚きです。
二宮:いや、もうそれは自分でもビックリしてますよ。私自身がこれまで受け身でやってきたんですから。ですから、この企画はこれまで私が出会ってきた人、お世話になってきた人を集めた集大成。絶対に面白いものになりますよ!
──そんな二宮さんの処世術とは?
二宮:門戸を広くしておくこと。要するにきっかけ、可能性はひとつでも多いに越したことはないんですから、将来の展望も、今の段階では絞っていません。新人育成、プロデュース、制作など、その中でひっかかっていくものがあれば、そこを重点的にやる。自分がやりたいことと世の中のニーズが必ずしも合っているとは限らないので。でも、自然の流れに従って何かひとつをしっかり極めていけば、自分がやりたいことに最終的にたどり着けると思うので、最初はとにかく好き嫌いせずなんでも挑戦して、まずはスケジュールをうめること。それにしたがっていくうちに的が絞られて、やるべきことがシンプルになっていくと思うんです。あとは、お付き合いのあった方を裏切ることなく、もうとにかく誠実に筋と礼儀を持ってがむしゃらにやるだけですよ!
──最後に、二宮さんの最終野望を教えて下さい!
二宮:最終的には、それこそ人生が充実していて、いくつになってもキラキラ輝いて笑っていられる人であれば、なんでもいいかなって(笑)。もちろんお金も欲しいし、最終的には子供も作った方がいいと思う。それにせっかくなので、自分が培ってきたことを後世に伝えていきたいし、一人でも多く笑っていられる女性を増やしたいっていうのもあります! 女性はすぐ顔や雰囲気にでますし、他人に頼ったり依存しやすい生き物。誰かに幸せにしてもらいたいと思う女性って凄く多いけれど、そうじゃなくても自分で自分のことを幸せにしてあげられるんだってことを、もっと多くの方に知ってもらいたい。自分がプロデュースしたアイドルが活躍すること、女性としても輝いていることで自分が生きてきた証をしっかりと残していきたいなとも思う。そう、生きてきた証が欲しいんです!
(インタビュー・文=文月みほ/写真=ヘンディー池田)
ブログ【ライター文月みほ「私はAVを1万本観た女です」】
Twitter:@fumizuki_miho
■二宮歩美 オフィシャルブログ【Walking Beauty2~もっともっとがとまらない~】
■『マイファーマーチャンネル』