――けっこう細かい話なんですね。
「話を聞くことで相手の心を開いたとしても、いきなり突拍子もない主張をしては、逆に相手を白けさせてしまいますからね。これまで同調していたのは何だったのかと不審がられては一気に距離があいてしまう。それを防ぐには微妙な違いから主張するのがいいと思いますね。そうすることで今度は女性に『この人は自分とは違うんだ』と思わせることができる。次は相手から質問をされることになるでしょう。そうなればアプローチされるはずです」
――恋を実らすには時間がかかるんですね。
「催眠療法もそうですが、まずは信頼関係を築くことが大切ですから、そこをおろそかにしては何事もうまくいきません。人の心を動かしたいと思ったら、時間をかけてじっくりと腰を据えるべきです。たとえばメールでデートに誘うのとかも、『今度一緒にご飯どう?』なんて直接的に問いかけるのは、あまりいい方法ではないです。同じ誘うのであれば、『今度、友だちとご飯食べに行くんだけど一緒にどう?』という感じのほうが、女性は食いつきやすい。“友だち”という言葉がワンクッションになり、選択肢の幅が広がりますから、『それならいっか』という風になりやすいわけです」
――では催眠術ですぐにエッチできるとか、そういうのは…?
「エッチな気分にさせる方法とかはありますね。目をジッと見つめて『あなたはだんだんエッチがしたくなる~』って言い続けるんです。というのは冗談で、基本的に精神的な安らぎを求める女性といきなりセックスするというのは難しいですよ。ただ、先ほど女性が男性にする効果的なアプローチの仕方を話しましたが、それを自分に向かってしている人を見つけることができれば、カラダの関係に持ち込むことは容易かもしれませんね。女性も無意識のうちにセックスアピールをしていることがありますから、そのサインを見つけたら猛烈にアタックしてみるのもいいかと思います」
――相手のことを知ることが重要ということですか。
「共感したり、逆に違いを示して刺激を与えたりすることで相手との距離感を調整することはできますが、それがすべていい方向に行くとは限りません。やはり恋愛には当人同士のフィーリングが大切。精神的につながることができても、やはりそれ以上の関係には発展しないというケースもありますから、そのときは潔く友人として付き合うようにするとか切り替える必要があるでしょう」
――う~ん。やはり催眠術も万能ではないのですね…。
「人間というのは本当に複雑な生き物ですから(笑)。催眠術師としては、ちょっと身も蓋もないようなことを言ってしまいますが、大切なのは何事もストレスを溜めないことですね。もしストレスを感じたら、ぜひセラピーを受けてみてください。私が心の重荷を取り除いてあげますよ(笑)」
人の心は千差万別で、それゆえ催眠術は決して万能ではないという相川。しかし相手のことをよく観察して、そっと寄り添うことができれば精神的なつながりを持てるとも話してくれた。恋に催眠術を利用するなど邪道だという人もいると思うが、相手との距離を縮めることは重要だろう。恋に悩む読者がいたら、ぜひ今回、相川が話してくれた“共感”や“違いを示すこと”を実践してみてほしい。
(文=愉快)
【相川葵】
女催眠術師・タレント
ヒプノセラピストとして「イメージングリラクゼーション恵比寿ヒプノ」に在籍
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