その一方で石橋は、『LIFE！』で演じているさまざまなキャラクターについて無邪気な笑顔をこぼしながら語っていた。特に本人も気に入っているという内村と兄妹役を演じているコント「彦介・彦美」シリーズに話が及ぶと、「とにかく楽しい！」と急にテンションが上がったように発言。まっすぐすぎる性格で周囲に迷惑をかけまくる彦介と彦美のコントの収録では、演出を担当するスタッフからもほとんど注文を受けることがないと誇らしげに話した。
「ドラマとは違いコントの本番はほぼ一発撮り。もちろん入念なリハーサルは行いますが、“笑い”を第一とするコントでテイク数を重ねてしまっては笑いそのものが薄くなっていってしまいますからね。たとえセリフが飛んでしまうようなNGがあっても、基本的には最後までやり切ります。そこで重要になってくるのが、演者がどれだけキャラクターを自分のモノにできているかということ。セリフのタイミングや立ち位置などを間違えても、キャラさえしっかりしていれば、共演者がフォローすることはできますし、かえってそれがハプニング的な笑いにつながることもあります。スタッフからほとんど指示されないと話した石橋さんは、それだけキャラを自分のモノにしているのでしょう」（テレビ関係者）
番組では、『LIFE！』で共演するドランクドラゴンの塚地武雅（43）がVTRで登場して、石橋のコントの才能を絶賛していた。塚地といえば芸人界きってのコント職人としても知られる存在。そんな彼が「（キャラへの）入り込み方がすごい」と脱帽していたのだから、その実力は周囲の評価以上といえそうだ。
大人びた雰囲気を醸し出しているかと思えば、一転して無邪気な笑顔を見せる石橋。視聴者はもとより共演者も虜にする魅力のヒミツは、さまざまに移り変わる表情に隠されているのかもしれない。
（文＝峯尾／http://mineoneo.exblog.jp/）
著書『松本人志は夏目漱石である！』（宝島社新書）