ファンイベントの定番になっているカラオケの様子もチェックされ、その流れで野呂が「ノンティーLIVE」というライブイベントを開いていることが判明。オリジナル曲なしでAKB時代の歌などを披露する内容でチケット代が5500円だと明かされ、しかも他人の曲であるAI(33)の「Story」を歌いながら感極まって涙するという謎の展開だった。
アイドルと至近距離で触れ合えるイベントは、ファンにとって値段相応の価値があるだろう。だが、番組の演出を抜きにしてもファン以外から見ると「ぼったくり感」が強烈だ。
こういったファンイベントは多々あり、07年に元モーニング娘。飯田圭織(33)が07年に開催した日帰りバスツアーは行き先が千葉県野田市という近場で「バーベキューで出された肉は1人1枚」「食後に謎の巨大迷路に放り込まれる」といった内容だったのにもかかわらず参加費が1万9000円。しかも、イベント前日に飯田の結婚&妊娠が発表されるという「伝説の鬼畜ツアー」としてネット上で語り継がれている。
最近もアイドル業界ではファンイベントが盛んに行われているのが実情だ。
「グループ卒業などでアイドルとしての旬が過ぎると多くのファンが離れてしまいますが、一定のコアなオタは絶対に離れずについてくる。直接触れ合えるとなれば彼らは少々高くてもお金を出してくれますし、イベントの内容がショボくてもアイドルを全肯定していますから文句を言いつつ買い続けてくれる。よく訓練された精鋭のオタは、ちょっとやそっとでは逃げ出しませんから。そういったコアなファンをターゲットに『狭く深く』搾取するビジネスに移行するのが定番になっています。また、駆け出しのアイドルグループでもコアなファンを獲得次第、バスツアーやバーベキューなどのイベントビジネスを収入の柱にしていますね」(芸能関係者)
コアなファンから搾取するビジネスモデルといえば、AKB48の握手会&選抜総選挙のCD複数買い商法が有名。だが、いまやAKBは人気絶頂で「会いにいけるアイドル」ではなくなり、握手会でも一瞬しか触れ合えない。それに比べれば今回紹介されたファンイベントは、少々値段が高くとも牧歌的で微笑ましいといえるのかもしれない。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)