ところが今から約10年前のこと。東京で始まった浄化作戦が埼玉まで飛び火した。つまり、一斉摘発が行われNK流を謳うサロンは壊滅状態に追い込まれた。あの煌々と輝く本サロ街は“幻の都”状態になったが…。
「それでも、何軒かは“もぐり”で営業してたんだよね、看板を白くしたりして、それとなく分かるようにして。でも、そこにも追い討ち摘発が入って、今はデリヘルに転業しているね」(前出Aさん談)
さて、これらの御当地流サービスはどうなったか? 結論としてはイタチごっこをかいくぐって営業している店が僅かながらあることにはある。そして、一部店舗は南下、つまり都内へ進出しているようだ。
その地域とは足立区竹ノ塚である。東京都の北部にあり、一部では埼玉県と思われている方もいるようだが、一応“都内”である。
それはさておき、竹ノ塚は以前は連れ出しスナックが数軒あったようだが、基本的には風俗不毛地帯であった。それが現在、埼玉から流れてきた店が同地域で同じサービスで営業をしているそうで、マンヘル式に営業している店もあれば、本デリとして営業を続ける店もある。そして、閉店したスナックなどを居抜きで買い取り、サロン形式でコッソリと営業している店もあるという。
「しかし、ボックスシートで完結しなくてはいけないので、かなり窮屈。まぁ、女の子との密着感はスゴイですけど…西川口のような個室ならではの風情は無いですね」(実際に体験した裏風俗ライターB氏談)
それでも、在りし日のNK流を偲んで、この“TZ流”に通う者もいるという。結局、男に性欲がある限り、このテの御当地サービスは存在し続けるということだろう。
(文=子門仁)