静かに艶めかしく… 満島ひかり、初の蜷川舞台で魅せた“別格女優”の苦悩と妖艶演技

※イメージ画像:『ミセス 2014年6月号』文化出版局

 25日、NHKのBSプレミアムで『女優 満島ひかり まだ見ぬ世界へ』が放送された。満島ひかり(29)が初めて挑んだシェークスピア演劇『ハムレット』(1月22日~2月15日上演)の稽古初日から公演までを密着したドキュメンタリー番組だ。この舞台の演出家は演劇界の巨匠・蜷川幸雄(79)。番組では、これまで蜷川が何度となく手がけ、日本演劇界の最高峰といわれている『ハムレット』に満島が立ち向かう姿が紹介された。

 緊張感が漂う初日の顔合わせで「いまの蜷川さんにしかつくれない『ハムレット』をやりたい」と力強く語った満島。肝臓と肺を患っているため車椅子に座り酸素吸入チューブをつけている蜷川は、黙ったまま満島の言葉にうなずく。情熱をたぎらせる満島とは対照的に弱々しい印象のあった蜷川だが、いざ稽古がはじまると今年80歳を迎えるとは思えないほどのゲキを飛ばす。しかしなぜか満島にはそれがない。初日の稽古が終わると満島は「女だし、初めてきたから放っておかれてるのかな」と寂し気に胸の内を吐露した。

 「つかむところが1個もない感じ」と不安な気持ちを表現しつつ、満島は自分なりの意見や解釈をぶつけるように稽古に没頭する。白いロングドレスの衣装を巻くりあげ、細い太ももが見えようとも舞台上を駆け回る満島。怯えるような眼をしたかと思うと髪を振り乱して妖艶な表情を見せる。ときおり蜷川から「そんなオオカミ少女みたいな芝居するな!」と怒鳴られるシーンもあったが、満島は嬉しそうに「芝居を始めたころを思い出す」と語るのだった。

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