【日本の風俗発祥に迫る】第一回『風俗嬢の起源は巫女だった!?』はコチラ
性風俗の歴史を辿る本コラムも第二回を迎えることとなった。前回は売春(=風俗)の発祥が巫女であり、売春が「神と交わる」という宗教的な意味を持っていたことに言及した。今で言う風俗嬢たちは「遊女」と呼ばれ、有名な寺社の近隣に宿を置いて売春行為をしていたと考えられているのだ。
しかし、平安時代末期になると、神事としての意味合いが次第に薄れていくことになる。大きな要因として考えられるのが武家の台頭だ。ご存知のとおり、平安末期は源氏と平氏による合戦が各地で繰り広げられ、鎌倉幕府が成立してからは政治の中心が武家に移り変わった。
幕府が鎌倉に置かれたことで、京都の朝廷とを結ぶ街道沿いはにぎわい、東海道などといった主要な道路の整備が進んだ。その道中にある宿場町などを中心に、遊女屋と貸し座敷を兼ねた施設が出現することとなる。当然、遊女の数は激増。巫女としての側面は薄れ、より芸事を重視するようになっていったのだ。
当時の遊女屋には一軒あたり数人から40人ほどの遊女がいたとされている。いわば現代の店舗型ファッションヘルスのようなものだ。風俗店の原型は千年以上も昔に出来上がっていたことになる。