【初共演作での爆笑エピソード】
──おばあちゃんのデビュー作で共演をしたんですよね。内容を教えて下さい。
あやな:私が撮影後に監督と話しているシーンから始まります。「おばあちゃんも出てみたいって言ってるんです」って。それから現場におばあちゃんが見学しに来て、実際に撮影して、セックスする。そんなドキュメンタリータッチの作品です。
──実体験がベースの作品なんですね。どんな心境でした?
あやな:もう心配でした。ちゃんとできるのかな~って。だってね、掃除機をかけて、それを止めてから話しはじめて、歩き出す。そんな単純なシーンで30テイクくらいしていたんですよ。これ、終わるんだろうかと…。ここだけでてっぺん超えるんじゃないかと不安になってましたね。
よしの:ははは…頭真っ白になってたんですよ。
──撮影とはいえ、お孫さんのセックスを目の当たりにした感想は?
よしの:素晴らしいと思いました。本当に女優なんだなと。それまで、そういう目でみていませでしたので感激しましたね。
あやな:そうなの? それは嬉しいなぁ。
よしの:少し真似しなくちゃいけないかなと思ってました。
──あやなちゃんは、おばあちゃんに見られることに抵抗はなかったの?
あやな:撮影ですから抵抗はありませんでしたよ。いい意味で何とも思わないです。それより、年齢のわりに綺麗なのは分かっていたのですが、普段は着ないようなベビードールの可愛い下着を着てるのを観て「は~、綺麗だなぁ」って感心しましたね。
よしの:そうかい?(笑) 私はただ一生懸命やらなくちゃだめだね~なんて考えていたら、ますます頭の中が真っ白けになっちゃって、何をしたらいいのか分からなくなって大変だったよ(笑)。
──予想外のトラブルは起きませんでしたか?
あやな:やはりフェラは難しかったみたいですね。男優さんにフェラした時に歯が当たっていたみたいで萎えてしまったんです。そこで、私が監督に呼ばれまして「あやなが勃たせろ!」って言われて、カメラに映っていないところでフェラして復活させてたんですよ…あははは。
よしの:もうね、緊張のしまくり。何もかも上手くできなかったね。観たことがないので、どうしたらいいのか分からないし、前日は眠れなくってね。で、掃除機のくだりで時間がかかってしまったので、申し訳ない気持ちもあるし。
──あやなちゃんはおばあちゃんのセックス中は傍にいたの?
あやな:1回目のカラミは観ていましたね。心境は、初めてのお遊戯会を見守る母親でしたね。「キャー、おばあちゃんがエッチなことしてる~」って感じは全くなくて「うちの子、大丈夫かしら」って…あはは。
よしの:ははは。初めてだったしね。私は、孫が傍にいるのさえ見えていませんでしたね。自分のことで精いっぱい。2度目は、傍にいなかったけど、少しは慣れたんじゃないかなって思うんですけどどうですかね~。
──恥ずかしさ、気まずさは一切感じなかった?
よしの・あやな:なかったね~。
──よしのさん。今回の撮影で若い男性とセックスした感想は?
よしの:若いのはいいね~。でも、アレが大きいのは大変だったね。3人とも。1人はフェラだけ、2人はセックスまでしたんだけど、みんな大きくてビックリしちゃった。
あやな:でも、ますます若返ったよね。化粧品を欲しがるようになったんですよ。一緒に暮らすようななった時には何もしなかったんですけど「それじゃ、彼がかわいそうだよ」って言って、メイク道具をプレゼントしてはいたのですが、撮影後はさらに欲しがるようになりましたね。
よしの:マスカラだけは恐いから、やってもらわないとダメだけどね。
──初めての祖母&孫娘の共演作を撮り終えた感想は?
あやな:自分がこれまでやってきて、楽しいと思っていた世界におばあちゃんを連れてこれてよかったと思っています。嫌な思いはして欲しくなかったし、いい作品にしたいなって思っていたので、あの日はお世話ががりになっていました。下着まで私が着せたんですよ!
よしの:とにかく頭がまっしろなうちに終わっていたね。覚えているのは寒かったこと。撮最中は暖房を切らなくちゃならないのが辛かったねぇ。でも、撮影の大変さを知って勉強になりました。
──今後、お二人でやってみたいことは?
あやの:レズですね。私、前から女の子が好きで一度はやってみたいと思っていたんです。おばあちゃんは女の子ではないけれど、せっかくなので初めては私がタチになってやってみたいなって思います。感じさせてあげたいし、面白いなって思うし。お互いの大事な部分はもう見せ合ってるしね。
よしの:あぁ、それもいいね。めったに経験できないことだからね。
あやな:そうなの? のってくれるとは思わなかった!
よしの:だってね、縛ったりとか恐いことはやりたいと思わないからね。私たちの世代は正常位しかしないからね。相手も望まないし。でも、あやなが教えてくれるなら、変わったこともいいかなとは思うんだよ。
あやな:そうなんだ? でも、撮影の後の監督のTwitterを観ていたら「76歳にして腰の振りがすごかった」って書いてあったよ。騎乗位はいけてるってことだよ。自信持って!
──本当に仲がよろしいですね。撮影を終えてお互いの見方はかわりましたか?
あやな:私にとっておばあちゃんは、家族であり友達。たまには私が教える立場にもなるしね。最近では、お母さんと子供が仲が良くて友達親子というのが流行っているけれど、それのおばあちゃんと孫版です。でも、撮影後は女優として見るようにもなりました。このまま独り立ちして欲しいけれど、とにかく心配なので、しばらくは現場にもついていくつもりです。
よしの:孫がやはり素晴らしい女優なんだと分かって感動しています。一生懸命やってる姿を素晴らしいと思ったんです。話には聞いていたけれど、実際にみたことで実感しましたよね。これからは女優として見習わなくちゃと思うところがいっぱいあります。
あやな:私達、最初から普通のおばあちゃんと孫の関係ではなかったけれど、ますます特殊な関係になったんでしょうね。それは実感しています。
──ちなみに、レズがしたいなら、家でお互いの裸をみてムラムラ~っとくることはない?
あやな:それはないですね。ただし、相当、酔ったらどうかは(笑)。
よしの:あははははは…そうだねぇ。
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さて、ここまで聞いてどう感じましたか?
私は、正直、2人に会うまでこの取材にあまり乗り気ではありませんでした。祖母と孫娘のAV共演と聞いて、誰が明るい話題を想像できますか? でも、気が付けば笑いの絶えない取材となっていました。これでお茶とお菓子があれば、一家団らんにお邪魔してる気分になっていたでしょう。しかし、取材する立場として、最後にどうしても聞いておかなくてはならないことがあり、心を鬼して聞きました。
──こうして2人でAV出演することに背徳感はない?
あやな:あまりないですね。現場の雰囲気も明るいですし、先ほども話しましたが、いい作品を作り上げる事しか考えていませんので。
よしの:そう、仕事だからね~。もしかしたら団地の方がDVDを買ってみて、声をかけられるかもしれませんよね。でもね、その時は「私ではないですよ。なんだか、最近よく聞かれるけど、似てる人がいるみたいね」って答えます。仕事のことですからね、なにも正直にご近所に話す必要もないでしょう?
──では、もし、家族にバレたらどうしますか?
あやな:あっけらかんと認めるつもりです。「何か問題ありますか?」と。ただ、あえて自分から言うつもりはないですし、それで関係性が悪くなっても私にはおばあちゃんがいるから大丈夫です。もしも、私だけがAV出演をしていたら、きっとおばあちゃんが責められたと思うんですけど、そのおばあちゃんもでちゃってますからね。家族も何も言いようがないじゃないかと思ってます(笑)。
よしの:その通りだね。私も娘にそう話しますよ。仕事なんだよってね。私たちは、何やるのも昔から一緒だったんです。食べるものも、遊びも。そして仕事も一緒になったというだけのことですから。
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近年のAV女優のテレビ進出をきっかけに、一般女性が、AV出演することに対するハードルが、年々、低くなっています。きっと、遅かれ早かれ、祖母と孫娘の家族共演は実現していたのでしょう。ただそれが、あっけらかんと笑うこの2人であってよかったのか、否か? その結論を出すには、まだ時期尚早。いろいろな思いはあるけれど、今後の2人の行く末を明るい気持ちで見守っていきたいと、私は思っています。さて、みなさんはいかがでしょうか?
(取材・文=文月みほ/写真=辰巳ちえ)