元グラドルとイメージDVD制作会社が裁判で争う“アナルの価値” さてAV業界では…

※イメージ画像:Thinkstockより

 今年10月、元グラビアアイドルのAさん(34)が『勝手にアナルを映したDVDを発売され、耐え難い精神的苦痛を被った』として制作会社を提訴して話題になった。その注目の裁判の判決が12日に神戸地裁尼崎支部で下され、制作会社側に慰謝料として220万円の支払いを命じたと「東京スポーツWeb版」が報じている。制作会社側は「アナルが写る映像の判例ができたら他のメーカーにも影響が出る」ため控訴したいとしており、二審では“アナルの価値”について、さらに突っ込んで争われることになりそうだ。

 この“アナルの価値”について、今後どのようなやり取りが裁判でなされるのかも興味深いが、ことAV業界においては、その意味も価値もガラリと変わってしまう。まずはAVとアナルの関係について振り返ってみよう。

 レンタルビデオが主流だった1990年代までのAVは、“ビデ倫”こと日本ビデオ倫理協会の基準で、アナルどころか陰毛も修正で隠されていた。1991年に発売された樋口可南子(56)や宮沢りえ(41)のヘアヌード写真集を機に、ヘア解禁していたグラビア業界に比べると時代遅れのように思われたものだ。2000年代に入り、セルビデオがAV業界を席巻していくと、各任意団体が規定した新しい修正基準が主流となっていき、モザイクなどの修正で隠さなければいけないのは「猥褻物」ではなく「性器」のため、陰毛は隠す必要はないとされた。そこから、なし崩し的にアナルも「性器」ではないと、修正を加えない作品が増えはじめることになる。さらにデジタル化でモザイクを入れる技術が発達したことで、動画のひとコマずつにギリギリの範囲でモザイクを入れることが可能になったため、アナルがバッチリ見えるようになってしまった。

 2008年6月にビデ倫の審査部門責任者が逮捕された事件を受け、アナルの接写を控え、アナルの愛撫にはモザイクが入ることもあったが、翌年の春にはアナルを舐めたりバイブを挿入してもモザイクが入らない作品が復活。それからAVにとってアナルは「見えてあたりまえ」であるが、男性器と結合した場合は隠す、使いようによって変化する、玉虫色の価値を持つものとなった。

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