また、決勝戦で出題された「すんごいエロい名前を考えてください」に対しての「アーナルデ・シメツケネッガー」という回答は、実は10年前に放送された『内村プロデュース』(テレビ朝日系)で彼自身が、「ジェニーいとう(おネエタレント)の得意技は何?」という大喜利問題で答えた回答を“再利用”したものだった。
有吉自身も、同番組への出演に限界を感じたのか、翌9日放送のJFN系ラジオ番組『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』の中で、IPPONグランプリに触れ、「出てるのもウザったいでしょ」「もっと若手でやったほうが楽しい」「おじさんたちは、老兵はただ去るだけ」と引退を示唆している。
「有吉はその言葉通り、自分も含めて変わり映えしない出場者たちに嫌気がさし、後進に道を譲ることを決めたのかもしれませんが、それにしても回答に以前ほどのキレは見られなかった。“大喜利エリート”と呼ばれるライバルのバカリズムとの勝負前に繰り広げるお決まりの舌戦も、今大会は比較的おとなしかった気がします。今までコントや漫才などのコンテストの賞とは無縁だった彼は、IPPONグランプリでの優勝を是が非でも手に入れたいと思っていた時期もあったようですが、すでにそれも果たし、目標ではなくなったのでしょう。これだけ冠番組を持っていますから、当然といえば当然かも」(芸能ライター)
今月3日に放送された『有吉ゼミ 2時間スペシャル』(日本テレビ系)は14.8%(ビデオリサーチ、関東調べ/以下同)を記録し、翌週10日の放送でも13.6%と好調。また、9日の『有吉反省会』(日本テレビ系)は11.4%で、12日の『マツコ&有吉の怒り新党』(テレビ朝日系)も10.4%と安定した人気ぶりを見せ、「有吉」の名がついているだけで数字が見込めるという状況が続いている。
業界の酸いも甘いも知り尽くした有吉という芸人が、現状にあぐらをかいているとは思えないが、人間誰しも余裕ができれば丸くなってしまうもの。そんな彼に対して業界内から不満の声が漏れ始めたというが、一発屋から大人気タレントに返り咲き、日本テレビ芸能史上まれに見る奇跡の大逆転劇を遂げた彼なら、きっと見事な返し技を披露してくれるだろう。新しい有吉がどんな芸を武器にするのか楽しみにしたい。
(文=今井良介)