石原さとみが不倫妻で新境地開拓!? “官能ドラマ”に活路を見出すフジテレビの思惑


 しかし近年の不倫ドラマといえば、やはりNHKの作品が目立つ。2010年に放送された『セカンドバージン』(鈴木京香主演)をはじめ、『カレ、夫、男友達』(2011年/真木よう子)、『はつ恋』(2012年/木村佳乃)、『夫婦善哉』(2013年/尾野真千子)、『ガラスの家』(2013年/井川遥)など、毎年のように不倫ドラマを連発している。こうした点を踏まえれば、フジテレビが牽引しているかのような不倫ドラマブームも、その源流にはNHKのドラマがあるように思える。

 確かに社会現象となった『昼顔』だが、視聴率的には平均13.9%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と、数字だけ見れば平凡なものだ。1997年に放送されたドラマ『失楽園』(日本テレビ系)が平均20%以上を記録し、最高で27.3%を叩きだしたことを考えれば、その数字の寂しさが伝わるだろう。時代が違うといえばそれまでだが、『相棒』や『ドクターX』(共にテレビ朝日系)のシリーズは、今期も平均20%以上を記録しており、話題性が人気につながっていれば十分数字にも反映されたはずだ。

「視聴率の低迷が叫ばれて久しいフジテレビですが、7月に亀山千広氏が社長に就任した新体制となってもそれは変わらなさそうですね。今秋から始まった新番組も思ったほど数字は伸びていないようです。亀山社長が『目玉』と推したタモリさんの新番組『ヨルタモリ』も二桁の期待が寄せられながら結果は6.6%でしたから…。『週刊実話』の報道では、フジテレビは官能不倫ドラマに鉱脈を見つけたとありましたが、今のフジテレビの状況を考えれば、たとえ石原さんと広末さんのWヒロインが実現しても数字に結びつくかは不安ですね。加えて、石原さんも広末さんも、今年に入って共にセクシーなキャラクターを演じています。人気女優だけに、イメージの固定化は避けたいと考えてもおかしくないでしょう」(前出)

 すでに大人の魅力を演じている広末はともかく、現在のところ若くて弾けるようなエロスを振りまいている石原にとっては、不倫する若妻を演じるとなれば新境地の開拓にはなるだろう。しかし、もちろんそれは『失恋~』や『ディア~』で見せたセクシー路線の延長線といえる。いち視聴者とすれば、石原がさらに過激な演技を見せてくれるのはありがたいが、同じ路線を走り続けることはないのかもしれない。

 石原と同世代の人気女優・新垣結衣は、今秋公開の映画『TWILIGHT ささらさや』で初の母親役に挑戦している。新垣といえば、これまで純愛ラブストーリーのヒロインやコメディタッチの作品が多かっただけに、今回の母親役は新たな魅力を引き出すきっかけとなるに違いない。そんな新垣の姿を見て、石原自身は次にどんな役に挑戦したいと考えているだろうか。若手女優の中では抜群の人気を誇る石原が、フジテレビの考える官能ドラマに身を委ねるのか、それともまったく新たな魅力を披露してくれるのか。石原の選択からは目が離せそうにない。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

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