1990年代は、いわゆるフーゾクの黄金期であったと思う。80年代末から登場した、ヘルスやイメクラといった業種は全盛を迎え、その一方でいわゆる裏風俗も新たな業種が次々に登場した。
そのなかで、ひときわ派手だったもののひとつが「金髪パーティー」である。
これは裏風俗の大人のパーティーとほぼ同じだが、女性がすべて外国人女性というものだ。いつ頃から登場したのかは明確にはわからないが、筆者が確認したのは94年頃だった。バブル経済崩壊後の不況が続き、新卒の就職難から就職氷河期と呼ばれ、「価格破壊」という言葉が流行。また、松本サリン事件が起きて世間が騒然となった年である。
その金髪パーティーだが、開催場所はマンションの一室。三行広告などで問い合わせると、最寄り駅などのだいたいの場所を教えてくれる。「駅に着いたら、また電話してください」と言われるので、再度電話すると道順を教えてくれる。そうしてたどり着くのは、例外なくかなり大きな分譲タイプのマンションだ。プレイ中の「物音」が近隣に漏れないように、この手のパーティーはしっかりしたマンションで開業するのが常識である。
そして、インターフォンで「予約した橋本です」と告げればドアが開くので、指定された部屋まで行き、さらに名乗ってようやく入場である。現在のように、電話1本で自宅までデリヘルが来てくれることに比べると、何という手間であろうか。
さて、リビングで待っているのは、外人の金髪美女たちである。年齢は20代がほとんど。若い女性ばかりである。ほとんどは南米系。なかには「イギリス人デス」という女性もいたが、なぜか話すのはスペイン語。まあ、深く突っ込むのは野暮というべきか。
その女性のなかから、好みの子を指名して隣室でプレイできるわけである。このプレイとは、「最後まで」である。