また、別の参加者はこう語る。
「自分が撮った写真で見るアイドルは、また違った魅力が出ます。よくあるポーズやカメラアングルにとらわれず、自分の好きなポーズをリクエストできるので、より自分好みのアイドルの良さを見ることができるんです。また、ファン同士でどんな写真がいいか話し合ったり、そのアイドルをどうやって売り出していくかを考えたりする楽しみもあります。事務所によっては撮影会にマネージャーさんがいますから、よく意見交換したりするんです」
現場では「お尻を突き出して!」「おっぱいを中心に撮らせてください」などの指示を出すファンも多い。ライティングを気にしながらシャッターを切るファンもいて、そんな光景は、さながらプロカメラマンと新人アイドルのようでもある。一方で、撮影の順番が回ってきてもアイドルと話ばかりする人も見られる。撮影会の楽しみ方は十人十色のようだ。
逆にアイドル目線で撮影会を見れば、今のグラビア界に重要な“太客”(多額の金銭を投資する熱狂的なファン)を掴む目的もあるようだ。現在AKB48グループでトップクラスの人気を誇る指原莉乃(21)も、少数の太客が今の地位まで押し上げたと、一部のファンや関係者の間ではささやかれている。指原は、少数の太客に対し、非常に印象のいい対応を繰り返し、熾烈を極めるAKB48グループの中で抜き出ることができたというのだ。真偽は不明だが、アイドルとファンの交流は今や当たり前になっており、“神対応”や“塩対応”といった言葉があるように、アイドルの対応ひとつでファンの心が近づいたり離れたりするのは間違いない。
日々行われる撮影会では、アイドルがファンにプレゼントやサプライズをして楽しませる姿も目につく。撮影会を通して交流を深める行為は、ファンにとってもアイドルにとっても貴重な時間なのだろう。今後さらに撮影会はグラビアアイドルの生き残りをかける重要な位置づけになるに違いない。ファンにとって大きな楽しみである撮影会は、グラドルたちにとっても芸能界で勝ち残るためのスタートダッシュの場なのかもしれない。
(文=ozaki)