教科書のようなエロマンガ、ぶれない安定えっち! 馬鈴薯『ちんちんかもかも』

やっぱり「好き」な思いが一番! 事前と事後描写が丁寧でエロさ倍増。エロマンガの真髄ここにあり!

馬鈴薯『ちんちんかもかも』

 こんにちは、エロマンガソムリエ見習い、たまごまごです。で、ここしばらくは人間のリアルな側面を性を通じて描いたストーリーものを多く紹介していたのですが、ちょっと趣向を変えたいと思います。

 エロマンガの目的はエロを楽しむことです。だけどエロさだけで言えば写真や動画に敵わない。ならばエロマンガを何故読むのか? 「エロい物語」と「女の子が感じる快感」と「後味の幸せさ」をマンガは描けるからです!

 この三つを兼ね備えた、エロマンガ・オブ・エロマンガと言えるような多幸感とエロさを楽しめるのが、馬鈴薯氏の『ちんちんかもかも』です。

 もともとコンビニ雑誌「快楽天」(ワニマガジン)に連載されていたものなので、一つ一つのマンガは他のエロマンガに比べると短めです。一話16ページですね。このあたり他のエロマンガ月刊誌に比べるとボリューム不足な感じがするかもしれません。

 しかしもう幸せ濃度が半端じゃないんですよ。16ページできっちり、読者の性欲と心を満足させるだけのものが詰まっている。短編をつくる能力の高さです。

 たとえば「らぶじー」という短編があって、最初は陸上部の「女ゴリラ」と呼ばれている体育会系の日焼け少女に告白するバツゲームから物語が始まります。なんとも胸の痛いいじわるです。ところがその子がめっちゃかわいいんですよ実際に付き合ってみたら。仲良くなってみたらすっげーかわいくて大好きになるってことあるじゃないですか、あの気持ちが短い中に再現されている! えっちに流れこむのも、義務が恋愛に変わるのも非常に自然。「こんなかわいい子を女ゴリラと呼ぶ奴を俺は許さない!」と16ページ読み終わったら共感できるはず。

 どの作品も「女の子はかわいい、愛しい、抱きしめたい!」で統一されていますが、同時に「女の子から見たら男の子ってなんだかかわいい」という視点も盛り込まれています。なので嫌味が全くないんです。どっちに感情移入しても満足できる幸せ感!

 ほとんどの作品(「ちえり」ちゃんシリーズ以外)、ラストのコマで女の子が男の子を受け入れて、幸せそうにしているんです。このコマで、男主導だと思っていたのが実は女の子主導になっているというのがたまらないんですね。しかも「少しだけイイ話」が多いので、安心感が半端じゃないです。おっぱいは大きな子が多め。肉付きもよく柔らかそうな雰囲気が本全体から漂っています。

 「好き」を軸にしたえっちはこんなにも幸せで楽しいのか! ふれあいたいと思う感覚ってやっぱり本能的なものなのか! 濃密な短編の数々はあなたの心も股間も満たしてくれることまちがいなしです。

 性を含んだ幸せを、心の機微を描いた物語で読む。これこそが今のエロマンガの本質だとしたら、まさにストライクな作品でしょう。女の子も貧乳から巨乳まで幅広く、かつ物語に臭みがないので、万人にオススメできる教科書のようないいエロマンガなのです。
(文=たまごまご/たまごまごごはん

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