西安「自慰支援委員会」
Q.エロマンガはなんのためにありますか？
A.オナニーのためです！
これは真実。無論「エロマンガでしか表現出来ない世界がある」からこそ、この文化は続いているのですが、一つの重要な要素として、性的に興奮する精神高揚剤であることは間違いありません。まさに生きる男の（あるいは女の）伴侶。彼女がいるとかいないとか関係ない、自分の性的嗜好を満たす大切な存在なのです。
西安（にし・いおり）氏は徹底してその抜き心地を追究する作家さんです。まず題名が素晴らしくないですか？ 自慰を支援する委員会ですよ。なんてこの本にふさわしいんでしょうか。がんばれ！ がんばれ！ オトコノコ！
表題作「自慰支援委員会」は恋人同士ではない悪友の少女が、おふざけで主人公のオナニーを応援するという、なんともとんちんかんなシチュエーションで始まるマンガ。でもこれって……そうだよ、ぼくらがエロマンガに求めている最高の物じゃないですか。最終的にその子を犯してしまう所まで含めて。なんとも甘い設定すぎてとろけそうです。ああ、やはり自慰は何かに支援されてグレードアップし解放されるんだ！ おめでとう！ ありがとう！ 同じような設定で「チア部特別応援実施中」では、試合に勝つとセックスが出来るというチア部のサービスによって頑張る少年と少女達を描いています。乱交的な「ご褒美」タイムが、読者にとってもご褒美。ヤリまくりワールドがここにあって本当によかったでビッチ！
恋愛要素のかけらもなさそうなのが良いでしょう。しかし実はほんのりあるんですよ。まるでこっそり入れたガラムマサラのようにあとからじわじわ効いてきます。最初は「エッチな女の子たち最高ひゃっはー！」とイケるんですが、何度も読んでくると彼女たちの思いが伝わってきて、しんみり心に染み渡る。このバランスが絶妙なので単なる「抜きアイテム」でおさまらないのです。使い捨て作品ではありません、繰り返し読むことで真価を発揮する作品なんです。
西安氏といえば、学生だけでなく定番の人妻ものも充実！ 6本も収録されています。自分は強度のロリコンなので人妻属性はないんですが、西安氏の人妻はいけるんですよねえ……なんでかというと、女性の肉の描写が極めて卑猥だからなのと、性におぼれる人妻の姿はまるで少女のようだから。見た目は違うけど、淫乱生活を送る学生たちも人妻も、ボーダーはありません。人妻物入門書としても最高の一冊です。
（文＝たまごまご／たまごまごごはん）