しでん晶『キャンディーガール』三和出版
思春期の女の子たちのエロスを堪能したい! そんなときに女の子たちのかわいさや露出度の高さは非常に重要なファクターではありますが、もっと大事なもの、ありますよね。そう、エッチに対しての好奇心の強さです。ちょっと背伸びしてエッチな体験に興味津々である姿こそが、一番エロティックなんだ!
しでん晶氏の『キャンディーガール』は、ティーンズ少女たちの、まぶしいほどのびのびとした性への興味を描いた作品集です。絵も非常に丁寧で、ほっそりとした少女特有の体の描写もとても美しいのですが、やはりなんといってもスイッチの入った少女たちが、ごく当たり前のようにセックスに対して目をらんらんと輝かせる様が本当にかわいくて仕方ない!
本作の少女たちはロリータというよりは「ニンフェット」の語の方が似合うかもしれません。男性の理想通りに決して動かないんですよ。もうなにをしでかすか分からないイタズラ小悪魔勢揃い。友達同士でじゃれあって遊んでいるのと同じように、エッチにもなだれこんでいくんです。遊びの一環なので、しっとりエロティックな雰囲気になるというよりも、キャッキャと笑いながらのエッチなんです。捕まえようとすると逃げていく、黙っているとちょっかいをかけてくる。気まぐれで奔放な少女達の性への興味は底知らずです。
表題作『キャンディーガールズ』は特にその代表とも言える作品で、エッチの最中おしゃべりが止まることがありません。だって遊びだもん、ゲームだもん。楽しくて気持ちイイコトしたいじゃん! 『ぱんちらエロ天使』ではさらに女学生二人に翻弄される男性の滑稽さと、自由気ままな少女たちの魅力をキラキラと光らせつつ詰め込んでいます。男は単なるおもちゃ、気まぐれな女の子の気まぐれなエッチは、愛とか恋とか放り投げてどこへやら。
連作になる『マセガキ』シリーズはさらにその部分が追求されており、エッチな遊びしたい! という思い優先でふわふわ飛びまわるような少女に振り回されるという、M属性持ちにはたまらないシチュエーションになっています。拒絶しようとしても引っ張りこまれてしまう魅力、まさにニンフェット! 背伸びする様子がエッチという形で発露して、読者を誘惑する匂いをプンプン香らせます。
元気溢れる性に自由な少女たちばかりではなく、しっとりした恋愛も描かれています。『千夏の海』では三年ぶりに会った、日焼け跡が健康的ないとこの少女と、ごく自然の流れのようにセックスに流れ込み、その後何もなかったかのように夏の日が過ぎていく様が詩のように綴られています。
体が先か、心が先か? そんなのは後でいいんじゃないかな、まずはこの欲望を満たし合おうよ……耳元でささやきかけてくる少女たちに逆らえる男なんているのかな?
(文=たまごまご/たまごまごごはん)