今回の『バイトメンバー』も企画倒れに終わってしまう危険性が十分にある。また、ネット上のファンからは「それより真面目に頑張ってるメンバーの出番を少しでも増やしてほしい」「どうせまたデキレースじゃないの」などといった厳しい声も上がっている。なぜ失敗したばかりにもかかわらず、新たなメンバー募集企画を打ち出してきたのか。
「これはあくまで、企業とのタイアップ企画というところがキモ。仕掛けたのはAKBと縁の深い電通で、企業のPRになることが最重要視される。企画発表から合格者決定、活動スタートと複数回に分けて話題をふりまくことができますから、通常の広告よりも企業にとって宣伝効果があります。一方のAKB側にとっても、多額の広告費が入ったうえに経費はスポンサー持ち。ちゃっかりお仕事として儲けながら、タダで新たな人材を探すことができるのですからいいことずくめです」(代理店関係者)
とはいえ、企画が失敗すれば宣伝効果も薄くなる気がするが…。
「仮にメンバーの人気が出ずに失敗しても、ニュースなどで取り上げられた時点で企画の目的は達成したも同然。億単位の広告費を受け取っている運営側も同様です。それでもしバイトメンバーに本当に逸材が現れれば儲けモノですから、どうやっても損しない。スポンサーとWin×Winの関係が築ける鉄板企画として味をしめたのでしょう」(前同)
それだけ巨額のカネが動きながら『バイトメンバー』に支払われるのは時給1000円。芸能界を夢見る少女たちが応募していることが予想される『バイトAKB』だが、合格者はいきなり芸能界の“搾取”の構図を経験することになりそうだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)