一部SNS上では「BABYMETALのTシャツが現地で飛ぶように売れて争奪戦に!」という情報が流れたことがあったが、現地在住のユーザーから「そんな話は聞いたことがない」と否定される一幕もあった。どうしても先走りがちになってしまうが、彼女たちの本当の人気はどれほどのものなのだろうか。
「今まで日本人アーティストの海外公演というと、観客は国内からの遠征組や現地の日本人ばかり。それで『海外公演が大成功!』なんて喜んでいるのが関の山でした。しかし、BABYMETALの海外ライブは日本人だけでなく間違いなく現地の人たちが集まっている。どの国にも『kawaii』をはじめとした日本の新しい文化に興味のある人たちが一定数おり、現在はそういった客層にウケているようです。彼らにしてみれば日本のアイドル文化とメタルが融合したBABYMETALは非常に面白い存在のようですね。『大人気』とまではいえませんが、確実に注目度が上がっています」(音楽関係者)
その一方で批判も巻き起こっている。BABYMETALは昨年10月に日本のメタルフェス『LOUD PARK 13』に出場し、前述のようにイギリスのメタルフェスにも登場した。筋金入りのメタルファンにしてみれば、彼女たちをメタルと認めることが出来ず、メタルを茶化しているように見えるという人も少なくない。実際、海外の掲示板などでは「ただの日本式の金儲け」「こんなのはメタルじゃない」「子どもに何をやらせているんだ」といった否定的な意見が散見される。
だが「ステージを見れば面白さが分かる」「頭の固いメタル信者のせいで新しい文化が否定されるべきではない」「彼女たちの音楽でメタルに触れる新しいファンもいるだろう」といった擁護の声も数多くあり、まさに賛否両論の状態。海外のメタルファンにとっても、今までの価値観を破壊するような存在であることは間違いないようだ。
ガガのサポートアクトや海外単独公演の後、BABYMETALは8月16・17日に開催される夏フェス『SUMMER SONIC 2014』に出演。さらに、9月には幕張メッセでの単独2デイズ公演も控えている。海外でも話題をふりまく彼女たちが、どこまで成長するのか楽しみにしたい。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)