「フジの全社員の3分の2にあたる約1000人が人事異動になるという“大ナタ”でした。この時、きくち氏も編成制作局の現場から外されてしまったようです。『音組』の主宰ということで現在も一応は番組にかかわっていますが、影響力は大幅に低下。もし『音組』の看板ともいえる両番組が終了するとなれば、ほかのスタッフも含めて局内での立場は非常に厳しくなる。『音組』の重鎮・石田弘氏がどれだけ踏ん張れるかで今後が変わってきますが、石田氏は70歳を超えていますからね…。このままいけば、長年フジの音楽番組を牛耳ってきた『音組』の崩壊もありえます」(芸能関係者)
名物プロデューサーということで権限が大きく、巨額の制作費で豪華な番組づくりをしていたが、それも予算削減を進めたい上層部にとっては悩みのタネになっていた。それも粛清の要因になったようだ。
これだけなら、きくち氏は音楽番組づくりに対する真摯な姿勢が原因で上層部ににらまれ、現場を追われてしまった“悲劇のヒーロー”のように思える。だが、同紙はきくち氏の“悪いウワサ”についても言及。記事では名前が伏せられているものの、人気アイドルグループのリーダーに「俺と付き合うか、二度と番組に出ないか、選べ!」と迫ったり、3人組バンドのボーカルに告白してフラれ、その腹いせにしばらくバンドを出禁にするなどといった目に余る“公私混同”があったという。
かねてから言動が問題視され、そこに芸能事務所やレコード会社との衝突という決定的な出来事があり、それが番組の終了決定につながってしまったということなのだろうか。
いずれにせよ、視聴者を無視してお家事情で番組を潰すようなことをすれば、余計に世間の“フジ離れ”は進行してしまいそうだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)