「10年後、残っているのは1人」 第二の指原莉乃を目指すアイドルたち


 こうした思惑にメンバーたちがどういった思いを抱いているのかはわからないが、今後の活躍を夢見る彼女たちは、自分のキャラを活かそうと、大きなリアクションをとり、必死で前に出ようとする。その頑張りの先には、自分こそが10年後に生き残っているのだという強い気持ちがあるのだろう。そんな中、今年の総選挙で圏外だった北川綾巴(きたがわ・りょうは/15)が不思議な魅力を放っていた。

 メンバーやファンの間では“ビビり”で有名だという北川。箱の中に手を入れて中身を当てるゲームに挑戦した彼女は、なんと1度も箱の中に手を入れずに終わってしまう。ほかのメンバーができるだけ大きなリアクションをとろうと大声をあげ動き回るのに対し、声もか細い北川は、それがかえって目立ってしまうカタチに。

 また、「人が嫌がってるのを見るのが好き」と言いながら熱々のグラタンをメンバーの口に矢継ぎ早に詰め込み、ほかのメンバーのことを堂々と「面倒くさい」「ブス」と言ってのける田中菜津美(13/HKT兼任)もまた、その飄々とした態度で毒を吐く姿でなかなかの存在感を示していた。もちろんバラエティとしては、なんにでも大きなリアクションをとるというのが基本だが、北川と田中は、お構いなしにわが道を進む。同じようなリアクションをとるタレントが多い中、番組制作サイドとすれば、そんな2人は、大きな魅力の持ち主に写ったことだろう。

 番組の最後に田中は、憧れの人として「さっしー」と指原莉乃(21)の名前を挙げていたが、やはり彼女たちにとってはバラエティの第一線で活躍することが大きな目標なのだろう。指原の力が衰えるのもまだまだ先だろうが、10代の彼女たちにしてみれば、ちょうど指原と入れ替わりのタイミングを狙っているのかもしれない。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

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