――力説されても困ります（苦笑）。今でも笑って話せるほど、本当に楽しい撮影だったみたいですけど、それ以上に辛かった思い出もあるのでは？
木嶋：聞いてないよ！って思ったのは、虫責めのシーンですね。私は、虫がスゴく苦手なんですよ。撮影で使う虫は、釣りエサ用のミルワームって話だったんです。だから、頑張れるかなって思っていたんですけど、いざ本番になると、カメラに写りづらいという理由で急に大きい虫に変更されたんですよ！
――うごめく虫の中で嫌がる木嶋さんは、劇中でスゴく臨場感がありましたけど、あの虫は作り物ではなく、本物だったんですね。
木嶋：全部生きていました！ 撮影中、苦手意識を克服できなくて泣いていると、監督から「本当にダメだったんだね。でも、まだイケるよね？」って言われて…。
――監督からそんなふうに言われると断れないですね。下着の中にまで入っているような描写だったので、思い切って“虫風呂”もあるんじゃないかなと思って見てました。
木嶋：ええ～っ！ なんてこと言うんですか!! それは本当にダメ…。あのシーンは結月ではなく“素”でイヤでした。2度とやりたくないシーンです!!
――いま思い出しただけで、ちょっと泣きそうになっていますね。
木嶋：それと同じくらい辛かったのは、リアルに死にそうになった水責めですね。私が頭を下にしてイスに手足を拘束されて、口にはボールギャグを噛まされているシーンです。あそこで水を口に流されたシーンは本当に辛かった…。
――ああ、あのシーンは確かに衝撃的でした！ ここまでやるのかと。あまり長い時間ではなかった気がしましたが…。
木嶋：撮影は私の限界をはるかに超えるくらい長かったんです！ 監督からは、「危なくなったら、吐き出していい」と言われていたんですけど、何度吐いても水は口に注がれ続けられるんですよ。苦しくて顔をそむけたら、監督から「顔はそむけないで」って言われて…。だから、防ぎようがなくて「ヤバイ、私これ死ぬかも…」なんて頭をよぎる撮影だったんです。本当に溺れかけちゃって、死も覚悟したんですよ!!
助監督さんが助けてくれたんですけど、吉田監督は全然気づいてなくて、「このシーンはもうちょっといけたんじゃないの？」なんて言っていました…。監督は普段はスゴイ優しいんですけど、撮影が始まると人格が変わるみたいです。でもそんな監督から“できるよな？”って雰囲気を感じたからこそ、この作品ができたんだと思います。
――演技に関して妥協なき監督と指示に全身全霊で従う木嶋さんの女優魂があったからこそ、この作品は完成したんですね。そういえば、同じお菓子系出身で、木嶋さんのブログにも度々登場する石川優美さんも吉田監督の作品である映画『女の穴』にフルヌードで出演されていますね。出演について話し合ったりしましたか？
木嶋：『アイアンメイデン』の撮影が終わって、しばらくして吉田監督から優美ちゃんが出演する映画を撮るって話を聞いて、ふたりでゴハンに行きましたよ。
――お菓子系雑誌の人気を支え、時代を引っ張ってきたレジェンドとも言えるお二人ですから、友だちというよりも同志という感情のほうが強い？
木嶋：デビューの時期も同じくらいですし、ふたりで雑誌に掲載されたこともたくさんあるので、それはもちろんです。同じ監督で、フルヌードデビューできたのはうれしいですね。
――共演してみるのもおもしろいのでは？
木嶋：縛っちゃいますよ～（笑）。責めていいならば、ガンガン責めちゃいます！
――共演する日が来るのを楽しみにしています！ でも、女性と濃厚な濡れ場を演じたり、度々「かわいいグラドルが大好き！」なんて発言をしていますけど、ファンは“男性に興味がなく、女性と恋仲になるかも!?”って心配しているんじゃないですか？ 一時期、グラドル・原田真緒ちゃんと同棲していましたし…。
木嶋：女の子に…ですか？ それはどうでしょうかね、うふふふふ。男性のみなさんも可愛い女の子が好きですし、私もその気持ちが分かるよってこと…にしといてください！
――…怪しいですね。今後の楽しみにとっておきます（笑）。では、最後にメンズサイゾー読者に作品のアピールを。
木嶋：拷問部という架空の部活を題材にしており、名前を聞くとちょっと怖い気がするかもしれません。でも、学園モノでポップでさわやかに、そして甘酸っぱい“部活”を通したラブストーリーになっています。いっぱいドキドキしてもらえると思いますので、ぜひ劇場まで足を運んでください。
（文＝木嶋陽介／撮影＝ヘンディー池田）
■木嶋のりこ
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