AKB48握手会、メンバーの「出欠選択制」で強行…ファンからは反発も


 また、警備についても大きな変化があった。先日のAKB選抜総選挙開票イベントでは、警備を強化したといいながら「ザル」状態だったと指摘されていた。その反省を踏まえてか、今回の大握手会ではチェックが厳重化。AKBグループ公式ブログによると、入場前の荷物検査ではポケットの中の物までチェックし、飲み物を持ち込む場合は危険物でないことを証明するためにスタッフの前で試飲。さらに金属探知機によるチェックを受ける。

 それだけでなく、入場後はメンバーのいるブースに入る前に手荷物を預ける。さらに、ファンが胸の前で手のひらを上にして何も持っていないことをスタッフが確認し、その状態をキープしたままブースに入場。握手の方法おいても「片手で握手する時は、もう一方の手を手すりに置く」などといった細かいルールが定められており、メンバーとファンを隔てる柵越しの握手になることも決定しているようだ。

 これについてもファンから「仕方ないけど、ここまで信用されていないと思うと辛い」「犯罪者予備軍として扱われているようだ」などといった否定的な反応があった。

 ファンもメンバーも悲しい思いをしながら、それでも握手会を再開させなくてはいけないのだろうか。

「6月にNMB48が10作目のシングルとして発売を予定していた『イビサガール』が、突如としてシングルではなく配信限定に変更されましたが、これは握手会自粛の影響だった。握手券による“ドーピング”がなければ、今までどおりの売上が見込めないためです。それだけでも大打撃ですが、8月27日にはAKB48の新曲『心のプラカード』の発売が控えている。今年の選抜総選挙1位の渡辺麻友がセンターを務める最初の曲ですから、絶対に失敗が許されない。その前に是が非でも握手会を再開し、予約売上を伸ばさなければならない事情があった」(芸能関係者)

 SKE48も7月30日に15枚目のシングル「不器用太陽」の発売を予定しており、こちらはすでに一部通販サイトで「握手券付き」として予約受付をしている。握手会が再開できなければ、グループ全体に深刻なダメージがあることは明白だったというわけだ。

 もちろん、握手会はメンバーとファンの貴重な交流の場であり、両者にとって掛け替えのない存在だろう。だが、運営側は「ファンのため」「メンバーのため」といいながら、まだ根本的な問題が解決していないにもかかわらずビジネス上の判断で再開を強行したフシがあるのは否めない。だが、握手会をはじめとしたAKB商法をやめればグループ全体が立ち行かなくなる可能性があるのも事実だ。

 いずれにせよ、運営側の“大人の事情”でファンとメンバーを振り回すことだけは避けてほしいところだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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