「映画版の『悪夢ちゃん』は5月公開の初週が動員約12万7000人でランキング7位。興収も約1億5000万と寂しい数字だったため、一部で“大コケ”と書きたてられた。しかし、それから徐々に客足を伸ばして4週目で興収5億円を突破。最終的には6~7億円になると見られ、決してヒットとはいえませんが、大コケというほどでもありません。映画がコケたというイメージは、それだけメディアの北川への期待のハードルが高いということ」(芸能関係者)
また、木村やジャニーズ事務所が北川を“戦犯”扱いする可能性があるとの説も疑問だという。
「3年前に嵐の櫻井翔主演で放送されたドラマ『謎解きはディナーのあとで』(フジテレビ系)は、スペシャルドラマや映画版が制作されるなどヒットしましたが、北川はそのヒロインを務めていた。ヒロインが同じ女優なのにキムタクのドラマで彼女を戦犯扱いしたら、櫻井との人気の差が浮き彫りになり、かえってイメージダウンになる。それに北川は『ジャニーズ御用達女優』として同事務所と蜜月関係にありますから、彼女に責任をなすりつけるようなことはしないでしょう。ましてや、今回はジャニーズサイドの指名で松に再共演オファーを出したものの出演を断られ、ヒロイン不在の窮地を北川に助けてもらった恩があるようですからね」(前同)
だが、それでも北川に不安要素は少なからずあるようだ。
「やはり、前作のファンはどうしても北川と松の新旧ヒロインを比べてしまう。人気ドラマシリーズ『ガリレオ』(フジテレビ系)でも旧ヒロインの柴咲コウと新ヒロインの吉高由里子が比較され、吉高に対して否定的なファンか多かった。どうやっても新ヒロインは損な役回りにしかならず、これは人気作のキャスト交代で避けられない宿命。しかも松だけでなく、大塚寧々、阿部寛ら前作のメインキャストは大半が出演しない。もし作品のイメージが変わってしまったら、その象徴としてファンやメディアの厳しい目が吉高のケース同様に北川に向くことが予想されます。『松たか子だったら…』という声は必ず起こるでしょう。最も怖いのは、ドラマが失敗した時にジャニーズサイドに気を遣った局側が北川を戦犯にしてしまうケース。業界内で『数字が取れない女優』というレッテルを貼られると、それを覆すのは容易ではありません」(前同)
周囲の目が厳しいとはいえ、同作は間違いなく木村ありきのドラマ。脚本も演出も木村をどう生かすかに重点を置いて練られているという。ヒロインといえどもキムタクの前では添え物でしかなく、北川は自分の力ではどうしようもない「まな板の上のコイ」状態といえる。「Let it go」効果で人気が高まっている松と比較されるのも辛いところだ。ヒットすれば北川の代表作のひとつになり得るが、失敗した時のリスクは非常に大きい作品となりそうである。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)