──それで、上京後、なんでまたアイドルになろうと思ったのでしょう。
「私、もともと芸能関係に興味が無かったんです」
──そうですよね。いままでアイドルって単語出てませんもん(笑)。事務所にだまされて知らないうちにデビューしちゃったとか?
「いや、それはさすがにアタマが弱いコになっちゃう(笑)。ええと、整理します。…私はすごいカラオケが好きだったんです。そうしたら、地下アイドルをやっている友だちに『すごい盛大なカラオケができるよ! お客さんもいる中で!!』って言われて。それで、地下アイドルを始めたんです(笑)。そうしたら、今の事務所に声を掛けられました」
──アイドルになりたかった訳じゃなくて、カラオケがやりたかったんですか?
「そうなんですよ(笑)」
──じゃあ、歌手になりたいとか、思わなかったんですか?
「私、歌詞が覚えられないんです。だから、女優とかも…台詞が覚えられなくて(笑)。事務所には、いろいろなオファーが一時期来ていたみたいなんですけど、残念ながら、ねえ…」
──ビックになりたいとか、売れたいとか、そんな気持ちは?
「あんまりなかったんですよ(笑)。私、自分に興味がないっていうか…。自分があんまり好きじゃないんです」
──こんなに可愛いのに…。なんていうか、別な意味で『残念なアイドル』っていうか…。
「私、実はこの前のイベント(DVD『まるまる成育日誌』=オムツプレイで話題になった作品の発売イベント)まで、ファンの人と直接触れ合えるような機会って無かったんですよ。だから、こんな私にファンの人が本当にいてくれるって実感がなかったんです。イベントに、びっくりするくらいたくさんの人が来てくれて…。何か泣きたくなっちゃいそうなくらい…やっぱり嬉しかったんです! で、これからはもう少し、向上心を持って頑張っていこうかな、って決意したんですっ! というのが、この一カ月くらいの話なんですけど(笑)」
──なんか、デビュー前のアイドルの話みたいですが?
「それまでは、自分が『誰かに見られている人』だっていう感じが全然なかったんです。ファンの人たちに会って、はっきり自覚しました。これからは“ちゃんとしなくちゃいけない”って(笑)」
──アイドルなのに、見られている意識が無かったんですか?
「だって、AKBとか、他にもキラッキラのアイドルが日本にはいっぱい居るんですよ~。なのに、こんな私のファンになってくれる人がいるなんて…。変なことばかりやっているのに(笑)。なんか、とっても不思議な気持ちになってしまうんです」
──で、売れる気がない、と。
「売れたら、自分のしたいことがいろいろできるので、いいだろうなと思うんですけど、でも売れなくても『まあ、そんなもんだろう』って(笑)」
──誰もが少しでも前に出ようとしている、弱肉強食のアイドル業界で?
「だって、なんかガツガツしてるのってイヤじゃないですか(笑)」