禁断の小保方氏ネタを披露した『ロンハー』と自粛した『めちゃイケ』


 一方、『ロンハー』で大久保が披露したのは、「見た目ビューティーカップ」というコーナー内でのワンシーン。きっちりキャラ付けして行われるコントとはわけが違うが、それでも『めちゃイケ』での小保方氏イジりが話題になっている中で放送に踏み切ったのは番組としてのプライドや意地を感じる。番組のメインを務める田村淳(40)が、Twitterで、「ロンハー視聴 収録は結構前だったから、久保方さんの所が放送されるかなぁと心配してたら、普通に放送に♪ 流石ロンハースタッフ!」と投稿していたが、それだけ自主規制に走りがちな番組が多いということだろう。

 そもそもネタにする対象を見誤り、批判を受ければあっさり自粛した『めちゃイケ』と、何の気負いもなく放送し、バラエティ番組としての意地を通した『ロンハー』。一連の流れは、まさに現在の、迷走するフジテレビと看板番組が好調なテレビ朝日を象徴するような出来事だったといえる。さらに、『ロンハー』の中では、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の後継番組である『バイキング』をイジるようなシーンもあり、もはやそこには、かつてバラエティの王者として君臨したフジテレビの姿は見当たらない。そして、その低迷を打破するには、局の看板バラエティである『めちゃイケ』の奮起が欠かせないのは言うまでもない。かつての輝きを取り戻すには、今回のように安易なネタに飛びつくのではなく、真摯に笑いに取り組む姿勢と覚悟が必要だろう。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

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